Mozillaのプログラマーたちが、ウェブを「Oculus Rift」などの仮想現実(VR)インターフェースに適応させるプロジェクトをテスト版の「Firefox」を皮切りに開始した。
仮想現実では、コンピュータによって生成された感覚入力が現実世界に取って代わり、自分が電子的世界の中に存在していると感じられるほど十分な説得力を持つ。そして、ゴーグルのようなものを装着すれば、インタラクティブな3D世界に没入できる。仮想現実は、何年も前から人気の研究分野だったが、Oculus Riftのおかげで、今や世界は、いわば仮想現実が研究室から出て現実世界の物になると信じ始めている。
Facebookがそう信じて、20億ドル規模のOculus VR買収に合意したのは確かだ。買収手続きは6月に完了の予定だが、同社は、消費者向けの装置開発にかかる予想外の費用が買収価格を上回ることにも気付きつつある。一方、ソニーは「PlayStation 4」用VRヘッドセット「Project Morpheus」を披露し、サムスンも仮想現実市場に参入する可能性がある。また、先ごろ登場したGoogleの低コスト段ボール製VRヘッドセットは、本格的なプロジェクトではないものの、このアイデアに対する意気込みを反映している。
Mozillaは、ウェブが他のコンピューティング分野に遅れを取らないようにしようと努めており、VRインターフェースで動作するプロトタイプのFirefoxによって、この考えを形にし始めている。
ゲームおよび特別プロジェクトを担当するMozillaのエンジニアリングディレクターVladimir Vukicevic氏は米国時間6月26日、ブログ投稿で次のように述べている。「Firefoxの初期実験ビルドに仮想現実デバイスへのネイティブサポートを追加して、ウェブ開発者が、自分のウェブサイトやコンテンツに仮想現実のインタラクティブ性を加えて実験を開始できるようにする。これは手始めにすぎず、今後数週間から数カ月にわたって数多くのステップに取り組んでいく」
この取り組みが成功すれば、人々がウェブを閲覧する方法が一変し、アイコンとテキストが並んだ平面的なページではなく、コンピュータで作成された動的な3D世界を見て回ることになるのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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