5月11日から15日までの東京出張を、アップデートしたばかりのMacBook Air 11インチモデルで過ごした。最終回となる今回は、これまで(1回、2回、3回)に入らなかった話と、今回の新機種への評価、そして未来への展望について考えていく。
なお、筆者の普段の環境は、MacBook Pro 15インチRetinaディスプレイモデル(MID 2012)だ。スペックはCore i7 2.6HGz(Sandy Bridge)、8Gバイトのメインメモリ、512Gバイトフラッシュストレージ、そしてグラフィックスはIntel HD Graphics 4000とNVIDIA GeForce GT 650Mを搭載している。重さは2.56kg。
比較したMacBook Airは最も低価格な11インチモデルで、Core i5 1.4GHz(Haswell Refresh)、4Gバイトのメインメモリ、128Gバイトのフラッシュストレージ、グラフィックスはIntel HD Graphics 5000を搭載している。重さは1.08kg。
普段サンフランシスコ近郊のバークレーに住んでおり、1~1.5カ月に1度東京へ出張するという生活をしており、東京に来てもそこから長野やその他の都市に出張する移動の多い生活をしている。
冒頭にも述べた通り、普段は2012年に購入したMacBook Pro Retinaディスプレイモデルを使っており、自宅や仕事場、そして出張中もメインマシンとして常に持ち歩いて使っている。今回、そのメインマシンの役割を5日間だけ、最も安い8万8800円のMacBook Air 11インチモデルに代替して使ってきたが、正直予想以上に、現在のMacBook Airに搭載されているプロセッサのパフォーマンスが高かったことに驚かされた。
今回の東京出張では、講演、企業の発表会取材、新潟への出張と大学での授業、じっくり原稿書き、ミーティングと、ほとんどの行動パターンが含まれており、駆け足ではあったが、実際の利用の中でのレビューができたのではないかと思っている。
中でもやはり、小ささ、軽さ、そしてバッテリ持続時間の長さという3点は、MacBook Proとは全く違うキャラクタであり、MacBook Airを持つ大きなメリットとして挙げることができる。言うなれば、Appleのパソコンの中で最も「ピュアなモバイルマシン」と位置づけられる。
今までであれば、MacBook Proのラインと比較して、多少パフォーマンスが低くても、モバイルマシンとしての価値が十分な魅力を発揮していたのがMacBook Airだ。それが、時代の流れ、プロセッサの進化によって、筆者が普段使う範囲では十分なマシンパワーを手にしていることに、改めて気づかされた。次はMacBook Airのラインでも十分に戦える──そう確信した5日間であった。
さて、筆者の行動パターンとして、けっこう音楽は流しっぱなしで聞いている。手元のiTunesライブラリにも9000曲を超える音楽が入っており、ポップスやジャズ、クラブで楽しむ音楽などをそろえ、プレイリストも季節ごとに作ってきた。こうした資産は、ストレージが128GバイトしかないMacBook Airに全てをコピーしていつでも聴ける状態を作ることは難しい。
しかしAppleはMacBook Airをリリースする前に、iTunes Matchを日本でもスタートさせた。
このサービスは、iTunes Storeで購入していなくても、例えばCDから読み込んだ楽曲がiTunes Storeで販売されていれば「マッチ」したとして、同じApple IDでログインしている他のパソコンのiTunesや、iPhone/iPadのミュージックアプリでダウンロードして聴けるようになる。またiTunes StoreにないクラウドはiCloudへ2万5000曲までアップロードでき、マッチした楽曲と同様に他のデバイスから楽しめるようになる。
これに加えてiTunes Storeで購入した楽曲は「購入済み」として再ダウンロードが可能なことから、古いMacから新しいMacへと音楽ファイルそのものをコピーしなくても、iTunesには自分の手持ちの楽曲が全てリストアップされ、手元に置きたい曲はいつでもダウンロードして聴けるようになったのだ。容量が少ないMacBook Airからも、自分の音楽ライブラリへフルアクセスが可能になった。
しかも、更に嬉しかったのは、プレイリストもきちんと再現されたことだ。スマートプレイリストで特定のアーティストの楽曲を集めたり、見に行ったライブのセットリストを作ったりし、膨大なプレイリストを作って楽しんでいる。これらの資産がきちんとクラウドに保存され、複数のデバイスから利用できるようになったことは、音楽ファンとして、iTunesプラットホームがより信頼できるものになったと感じた。
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