孫氏から「尊敬するリーダーは誰か」と尋ねられたパウエル氏。これまで4人の米大統領に仕えてきたが、「(選ぶことで)他の人が曇ってしまうので答えたことはない」と話す。しかし、中でも「最も近く、不思議とつながりあった」のはレーガン大統領だったという。
パウエル氏によれば、バブルで好景気だった頃、日本がペブルビーチなど米国の資産を買い漁り、米議会でも問題となったことがあるという。しかし、その状況に対しレーガン大統領は、「海外から米国が投資先だと思われているのは素晴らしいじゃないか」と楽観的に答えたそうだ。
パウエル氏は「その投資が失敗したのは後日談だが」とジョークを交えつつ、「レーガン大統領は、議会などから批判があっても国民がその恩恵を享受できることを分かっていた」と説明し、リーダーは常に大局観をもって物事を見極めなければならないと強調した。
さらに、孫氏の「社内で対立が起きた時にはどうするべきか」という質問には、「とにかく意見を聞くこと。組織のトップにいたとしても、一番役職の低い人にも意見を求めるべきだ。それは私よりも現場のことを知っているかもしれないからだ。だから、上司だからといって意見を変えず遠慮なく言ってほしいと伝えていた」(パウエル氏)と持論を述べた。
この返答に孫氏は「トップになってもあなたは現場の人たちを忘れない。その姿勢はいつも尊敬している」と賛同。感銘を受けたのか、自身が役員フロアのトイレで手を洗っていた際に、挨拶をしてくれた清掃員の高齢女性の笑顔が母親に見え、「思わずその女性と握手してしまった」というエピソードまで披露し、対談を締めくくった。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する