新MacBook Airレビュー(3)--AirとProのキーボード比較、Retinaでないということ - (page 2)

iPhoneで撮影したビデオも軽快に編集

 おそらく筆者の作業の中で、最もコンピュータに負荷をかける作業はビデオ編集だろう。Final Cut Proもよいが、iMovieでも、HDビデオを編集して描き出せるので、ちょっとした編集はむしろiMovieで行うようになった。取材での撮影も、写真とビデオが半々になってきており、ビデオを簡単に編集する機会が増えてきた。

 前回、SDカードスロットがなくてオリンパスPEN Lite E-PL3で撮影した写真やビデオを取り込めなかったと書いたが、iPhoneならUSBケーブルでiPhotoに取り込み、iMovieで編集できる。そこで、友人の結婚式で撮影したビデオを、直江津からの帰りの電車の中で編集した。

 実は、現在使っている2012年モデルのMacBook ProでのiMovie編集は、編集作業が進むにつれてマシンの動作が不安定になる現象が起きていて、やや不満な面があった。編集中、ファンの音がフル回転になるため、新幹線の中でもちょっとうるさいなあ、と感じるほか、iMovieがシャットダウンしてしまうこともあった。

 そうしたストレスを普段抱えていただけに、MacBook AirでのiMovie編集でのパフォーマンスには興味があったのだ。

 編集を始めると、非常に快適。素材となるビデオのサムネイルをマウスでポイントすると、マウスの動きに合わせてリニアに映像のプレビューが表示される。また、編集中の再生、停止にももたつきがなく、字幕のテキスト編集も快適に進められた。

 iPadやiPhoneにもiMovieアプリが用意されているが、細かく編集したい場合は、やはりより大きな画面を使い、Mac版のiMovieで編集したいところだ。そういう意味で、MacBook Air 11インチでもiMovie利用の快適さは意外な驚きがあり、これが現実的であるなら、MacBook Air 11インチをフル環境のPCとして選ぶことへの抵抗も非常に少なくなる。

問題はRetinaディスプレイ

 さて、MacBook Airはテキスト編集からプレゼンテーション、ビデオの編集と再生まで、素晴らしいパフォーマンスを発揮し、移動しながらの快適な作業を実現してくれた。しかしながら、使っていく中で1点、筆者にとってどうしても気になる問題点がある。それはディスプレイだ。

 MacBook Air 11インチは、Appleが高精細ディスプレイのブランドとして掲げている「Retina」ディスプレイではない。11インチモデルの解像度は1366×768ピクセルで、やや高精細な部類に入るものの、iPhone、iPad、そして筆者の現在のマシンであるMacBook Pro Retinaディスプレイモデルのいずれもが既に「Retina化」されており、Retinaディスプレイ以外を長く利用したのは久々だった。

 Retinaディスプレイでは、写真やビデオが高精細に表示できるという点が強調されがちだが、筆者のように文字が中心のユーザーこそ、Retinaディスプレイを使うべきだ強く思う。Retinaディスプレイでは文字の輪郭がくっきりとしており、文字が非常に読みやすい。また、自分でタイピングして入力する文字が、まるで印刷されたかのような美しさで表示されていく間隔も、非常に心地よいのだ。

 そうした体験に慣れていると、非RetinaのMacBook Airのディスプレイに表示される文字は、どこかぼんやりとぼやけた印象だ。Retinaディスプレイモデルを使う以前のMacBookシリーズでは、決してぼやけているなどと思わなかったことを考えると、おそらく筆者は非Retinaのディスプレイ戻ることができなくなってしまっているのだろう。

 もしも、Retinaディスプレイを搭載するMacで最も軽いものを使いたければ、MacBook Pro 13インチRetinaディスプレイモデルを選ぶ必要がある。11インチとは言わないまでも、13インチのMacBook AirにどうにかRetinaディスプレイを載せられないだろうか。

 次回は最終回として、まとめと今後のMacBook Airについてお伝えする。

新MacBook Airレビュー(1)--クラウド時代のPC移行、新たなMacへの乗り換え方
新MacBook Airレビュー(2)--MacBook Proから移行し快適になったこと、困ったこと
新MacBook Airレビュー(最終回)--未来に期待したい3つのこと

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