Beats買収の舞台裏、iOS 8などWWDC 2014まとめ--松村太郎のApple一気読み

 6月3日~6月9日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。

WWDC 2014まとめ
WWDC 2014まとめ

 Appleの年次開発者イベントWWDC 2014が閉幕した。OS X Yosemite、iOS 8と新しいAPI、そして新開発言語Swiftが発表され、例年以上に開発者にフォーカスしたイベントとなった。WWDC 2014関連記事を改めて、リストアップして振り返っておこう。

アップル、新しいプログラミング言語「Swift」を発表(6/3)

Apple Storeの新店舗、東京・表参道に

 6月13日に、東京・表参道のケヤキ並木に国内8店舗目、都内では銀座・渋谷に続き3店舗目となるApple Store表参道がオープンする。高級ブランドショップが建ち並ぶショッピングエリアで、かつ1本裏手に入ると、デザインやアート、ファッションなどの事務所も建ち並ぶ。「東京で最もApple Storeがありそうな街」ともいえる表参道でオープンする。

 米国でApple Storeは、都市部ではショッピング街やモールなどにも出店し、高いブランド感を保ちつつも、身近にApple製品を触れたり、サポートを受けたりできる拠点として整備。高級ファッションブランドを含むショップの中で、床面積あたりの売り上げが最も高い店舗として確固たる地位を築き上げている。

 一方日本では、1号店を銀座にオープンさせ、その後大都市の大繁華街の中心に出店してきた。“特別な場所”という位置づけにすると同時に、家電量販店内にApple製品を扱う「アップルショップ」を開設し、販売拠点も充実させている。

 Apple Storeのデザインは、毎回、Appleのそのときの建築やデザインに対する「興味」が現れているものとして注目されている。表参道は緑あふれるケヤキの木をモチーフにした囲いを設置しているが、どんな表現がなされるか、楽しみだ。

表参道のアップルストア、6月13日10時オープン--「ちょっと特別なこと」(6/5)
まもなく表参道に「Apple Store Omotesando」オープン--アップルが明らかに(5/30)

Beats買収の舞台裏

 AppleのBeats買収について、WWDCの基調講演で言及されることはなかったが、一部のブログメディアでは、Lightningを使ったヘッドホンの規格について発表したと報じている。現在は標準的なイヤホンジャックを使っているiPhoneが、今後Lightning経由でEarPodsなどのイヤホンを接続する可能性がある。

 AppleのBeats買収に関し、音楽ストリーミングサービスについて過小評価し出遅れたことから、これを挽回すべくBeats買収に乗り出したとの記事を掲載している。記事では、Appleの経営陣がSpotifyのようなサービスが何であるか、という点を正しく把握しておらず、パニック状態でBeatsを買収したとの見方を示している。

 しかし既にiTunes Radioはストリーミング市場で8%のシェアを誇り、Spotifyのシェア6%を追い抜いている。iHeartRadioの9%にも迫る勢いだが、トップのPandraとはまだ20%以上の開きがある。必ずしもAppleがストリーミング市場へのアプローチを間違えているわけではない。

アップル経営陣、楽曲ストリーミング過小評価で窮地に?--Beats買収の裏側(6/9)

iOS 8を詳しく

 WWDC 2014で発表されたiPhone/iPad向けのiOS 8に関する記事を下記にまとめた。

 Safariは更なる高速化を行っただけでなく、サードパーティーアプリからも高速なJavaScript実行などのエンジンを利用できるようになっている。そのため、ウェブを活用するアプリは、iOS 8の上でより高速に動作するようになるとの期待がある。

 また、iCloud Photo Libraryと大幅に値下げされたiCloudの追加保存容量によって、iPhoneやiPadで撮影した写真の保存やバックアップを非常に円滑に行えるようになった。既にiPhoneを長く使い続けている人の中には、iPhoneの中の写真の整理に苦労している人も多いのではないだろうか。そうした人にとって、新しいiCloudとの連携やストレージの値下げは、重宝するかもしれない。

 HomeKit、HealthKitに対応したアプリの開発はまさにWWDC 2014からスタートしたばかりだ。既存のアプリも含めて、対応には時間がかかると思われるが、iOS 8の真価を引き出すのもまた、アプリを作る開発者になりそうだ。

アップル、「iOS 8」を発表--「HealthKit」など新機能多数搭載(6/3)
写真で見る「iOS 8」--進化した通知メニューや新アプリなど(6/3)
「iOS 8」に搭載された健康管理機能「HealthKit」を写真でチェック(6/3)
アップル、「iOS 8 SDK」をリリース--多数の新APIを追加(6/3)
アップル、「Metal」APIを発表--「iOS」向けゲームを強化(6/3)
アップル、「iCloud Drive」を発表--OSとの統合やUIを強化(6/3)
手書き日本語入力「mazec」をIMEとしてiOS 8へ--MetaMoJi、今秋に向け開発を表明(6/4)
「iOS 8」の第一印象--さらなる機能強化を果たしたアップルのモバイルOS(6/5)
アップル「iOS 8」、他社製ブラウザの高速化を可能に(6/5)
「iOS 8」搭載「Photos」アプリと「iCloud Photo Library」--アップルの写真管理機能はこう変わる(6/6)
「iOS 8」の「HealthKit」、同名の新興企業がアップルに不満表明(6/9)
「iOS 8」、クレジットカードをカメラで読み取る機能を搭載か(6/9)

OS X Yosemiteをくわしく

 OS X Yosemiteのプレゼンテーションは、今までiPhoneとMacを使っていて、「こうなったらいいのに」という連携を実現させている。両方を使っているユーザーにより喜ばれる機能となるはずだ。デザインもiOS 8との統一感がより高まっており、心地よさが増している。

 開発者向けのプレビューは既に始まっているが、夏からは登録した一般ユーザー向けにベータ版が公開され、秋にリリースされる予定だ。Yosemiteに合わせた新しいMacも、夏から秋にかけて登場するとみられている。

アップル、「OS X Yosemite」を発表--秋に一般向けリリース(6/3)
「OS X Yosemite」を画像で見る--アップルの次期デスクトップOS(6/3)
Mac「OS X Yosemite」の第一印象--新デザインや機能、アプリなど(6/9)

WWDC14でアワードに選ばれたアプリ

 Appleは毎年、WWDCの開幕日の夜に、Apple Design Awardsを開催する。Appleのエコシステムで作られた優れたアプリを表彰するイベントだ。2014年は教育に関連するアプリが2つ入選している。1つは天体を学ぶことができ日本語でも利用できる「スカイ・ガイド」。もう1つはコロンビア大学の教職課程で学ぶ学生が作った「Teachely」で、足し算を学べるアプリだ。

WWDC恒例「Apple Design Awards」発表--優れたアプリを表彰(6/5)

その他

新MacBook Airレビュー(2)--MacBook Proから移行し快適になったこと、困ったこと(6/6)
アップル、ウェアラブル端末を10月に発表か--米でも報道(6/7)

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