次期iPhoneは2サイズで8月に発売か?--松村太郎のAppleニュース一気読み

 5月11日~5月19日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。

 いよいよ、Appleの開発者イベントWWDCまで2週間を切った。ソフトウェアや開発環境といった開発者たちへの情報提供の場ではあるが、近年は開発者以外からもWWDCの基調講演に熱い視線が注がれている。iPhone、iPad、Macといった新製品やこれらのソフトウェア、クラウドサービスなどに対する発表や言及を期待してのことだ。

 一般ユーザーにすぐに関係する新製品や新サービスも魅力的だが、WWDCの基調講演とその後行われる個別の技術のセッションで提供される情報から、将来Appleの開発者コミュニティがどんなアプリを世に送り出すのかを見通すことができる。また、こうしたセッションで得られた情報は、今後Appleがどんなデバイスを検討しているのかについても、うかがい知ることができるかもしれない。

 筆者は今回も、WWDCの基調講演の取材を行うことになった。一気読みやその他の記事でも、Appleのエコシステムの最新事情について、お伝えしていこうと思う。

 それでは、1週間のニュースを振り返っていこう。

※これまで、日本時間の月曜日から日曜日までのニュースをまとめてきましたが今週を調整週として、火曜日から月曜日までの記事をまとめるように変更します。

人事や買収から予測されるAppleの変化

 前回ご紹介したAppleによるBeats買収の情報。Appleから明確なコメントが得られたわけではないが、Dr. Dreなど関係者などの発言やソーシャルメディアへの書き込みから、交渉が続いているかまとまりつつあることが予測される。その中で、Beatsブランド創始者の1人で音楽業界に長く携わってきたJimmy Lovine氏が、Tim Cook CEOの特別顧問に就任するとの報道があった。

 iTunes Storeは依然として業界で大きな地位を築いていものの、音楽ストリーミング市場が急成長する中で今後どのようにビジネスをしていくのか岐路にさしかかっている。Appleとしては既に進むべき道を決めているかもしれないが、音楽業界の大物のアドバイスはおそらく役立つはずだ。

 また、AppleはNokiaのカメラ開発の責任者、Ari Partinen氏の引き抜きに成功している。現在NokiaはMicrosoftの1部門となっている。日本ではNokiaのWindows Phoneが販売されていないことから馴染みが薄いかもしれないが、NokiaのWindows Phoneのセールスポイントとして4100万画素という圧倒的に高性能なカメラ機能がある。

 AppleがiPhoneにおいてカメラを重視している点は言うまでもないが、画素数競争ではない。画素のサイズを拡大させ、64ビットA7プロセッサによる画像処理によって、質的な向上の道を歩んでいる。こうした中で、Partinen氏の引き抜きは、iPhoneのカメラ性能がより洗練される可能性を示唆するものと言える。

「Beats Audio」を創設した音楽界の大物、アップルに参加か(5/12)
アップル、ノキアのカメラ開発責任者を引き抜き(5/12)

次期iPhoneは2サイズで8月に発売か?

 2週間後に控えるWWDCでAppleがiPhoneをリリースすることはほぼないのではないか、というのが大方の見方だが、例年9月から10月に発売されるiPhoneが8月にリリースされるのではないか、という情報が出てきている。

 これまでの噂を総合すると、次期iPhoneは約4.7インチと約5.5インチの2サイズがリリースされるとみられているが、先週流れた台湾のニュースによると、8月に発売されるのは4.7インチモデルの方で、同時に発表される大型モデルは9月に発売となると伝えている。

 またiPhone 6とされる画像も次々に出てきているが、最新のレンダリング画像によると、現在のiPhoneよりも縦が約15mm、横が約9mm大きくなるとみられている。

 現行モデルがiPhone 5sであることから、記事ではiPhone 6と呼ばれている。次のiPhoneのデザインも大きく変更されることになるはずだが、画面サイズ拡大のみでは魅力に欠けるかもしれない。ソフトウェアと連携し、ハードウェアの魅力をどのように作り出そうとしているのかに注目だ。

アップル、「iPhone 6」を8月に発表か (5/12)
「iPhone 6」とされる画像がネットに掲載--画面がより大きく(5/13)

iPadが左右する世界

 2014年第2四半期決算を発表した際、iPadの大幅な減速とみられる数字があった。Appleは在庫調整としていたが、Macと合わせたiPadの売り上げは、タブレットを含む世界のPC市場で2000万台とトップの座を保つなど、iPadの影響力は依然として高いままといえるだろう。

 iPadのトレンドは、価格が安いiPad miniが優勢だった2013年前半と違い、2013年第4四半期には、大型のiPadの出荷台数の方がiPad miniを上回る数字となっているという。スマートフォンより大きなディスプレイが必要なのか、PCよりもモバイル性を高めたデバイスが必要なのか、というアプローチの違いがあるかもしれないが、廉価モデルも含めてRetinaディスプレイ化した9.7インチのiPadとiPad Airに注目が集まっているようだ。

 WWDCではMac向け、iPhone/iPad向けのそれぞれに新しいOSがアナウンスされるとみられるが、Appleは次期iOSで、マルチタスクに続いて画面分割のサポートを計画しているという。既に一部のAndroidスマートフォンでは実現している機能で、広い画面を効率的に活用したり、複数のアプリを同時に扱いながら作業したりできるようになるかもしれない。

アップル、「iOS 8」で画面分割のサポートを計画か(5/14)
9.7インチ「iPad」用ディスプレイ、出荷台数で「iPad mini」用を上回る(5/16)
アップル、世界PC市場トップの座を維持--第1四半期調査(5/12)

その他

アップル、オンライン注文品の返金期間を短縮--米国で(5/13)

 米国では通信販売が発達している一方で、配送事情は日本ほど充実していない。そのため、通販にまつわるあらゆる体験のネックになっているのが現状だ。AppleもオンラインのApple Storeに力を入れているが、より早い配送を利用できるようにすることで、サービス全般の向上を行おうという取り組みだ。

アップルやグーグルの非勧誘協定をめぐる訴訟、原告の1人が和解条件に不満(5/13)

 シリコンバレーのテクノロジ企業がお互いの従業員の引き抜き防止や給与について協定を結んでいたことに対する訴訟で、和解が成立したが、原告の1人でフリープログラマーのMichael Devine氏は、法廷での審理を望んでいる。

アップルとグーグル、特許侵害訴訟の取り下げで合意--特許改革の一部で協力へ(5/17)

 特許訴訟といえばAppleとSamsungだが、Androidを開発するGoogleもAppleと特許侵害で争ってきた。Appleと対峙してきたのはGoogleが買収したMotorolaだった。GoogleがMotorolaを売却したことも要因となり、AppleとGoogleの和解へと至ったとの見方もある。

アップルのクックCEOと面会する権利、前回の半額強に下落(5/15)

 AppleのTim Cook CEOと面会する権利のオークションは今年で2度目となるが、昨年の半額ほどの33万ドルでの落札となった。今回はCook氏との面会だけでなく、Appleのイベントへの招待もパッケージに追加されていたことから、よりお値打ちだったと言える。

チャット相手の画像を入力時に表示するアップルの特許、出願書類が公開(5/16)

 メッセージアプリについては以前としてシェア争いや買収などが過熱しているが、Appleはコミュニケーション体験を返るアイディアを特許として出願している。チャットに入力中、相手の画像を表示するというアイデアの特許が出された。

アップル、「OS X Mavericks v10.9.3 Update」を公開(5/16))

 OS X Mavericksに10.9.3のアップデートがリリースされた。Mac ProやMacBook Pro Retinaディスプレイモデルにおける4K表示のサポート向上や、連絡先・カレンダーについて、MacとiOSデバイスをUSB接続した同期機能を追加など、改善。Safariの最新版もバンドルする。

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