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SpaceXによる有人宇宙船「Dragon V2」の展望--元宇宙飛行士C・ハドフィールド氏に聞く - (page 3)

Daniel Terdiman (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2014年06月10日 07時45分
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−−SpaceXが技術上の問題を克服したのは、Musk氏と同氏のチームが優秀だったためでしょうか、それとも時代が追いついたためなのか、予算のためなのでしょうか?あるいは、それらすべてが満足できたためでしょうか?

 それらすべてでしょうが、実際のところはエンジニアリング上の問題なのです。まず物理学上の答えを見つけ出す必要があります。秒速5マイル(秒速約8km)もの速度で空を飛んでいると考えてください。そして、秒速5マイルから減速しなければならないという場合、最善の方法はどういったものになるでしょうか?われわれは考えられるあらゆることを試してきました。スペースシャトルでは大気圏内を緩やかに飛行するという手段が採用されました。カプセル型の宇宙船はもっと荒っぽい方法を採っています。スペースシャトルはかつて建造されたもののうちで最も飛翔(ひしょう)能力に優れています。これは驚くべき成果です。私もスペースシャトルを2度操縦する機会に恵まれました。マーキュリー計画以来、われわれは宇宙に到達し、そこから減速するという組み合わさった問題を解こうとしてきたのです。

 また、われわれは今まで、飛行制御のほとんどを任せることができ、減速開始から着陸までの間の細心の注意を要する最終段階において、燃料を積極的かつ効率的に使用しながら減速し続けることを可能にする小型コンピュータを持ち合わせていませんでした。さらにMusk氏は、今までの成果として高度なスラスターシステムを手にしていました。つまり、最後にカプセル型宇宙船が設計された時には技術的な解決があまりにも難しかったエンジニアリング上の問題を解決できるところにまで同氏は達していたのでしょう。

 また、最終的に乗組員を死亡させないようにするだけの信頼性を持たせる必要があります。私はISSで5カ月間を過ごしましたが、そのミッションにおけるリスクの50%は最初の9分間に集約されていました。発射には大きな危険がつきものなのです。再突入が唯一の危険というわけではありません。

−−発射できるようになるにはまだまだ時間が必要でしょうが、この新型Dragonに搭乗してみたいと思われますか?

 私はテストパイロットです。14才の時からパイロットを続けています。だから何でも飛ばしてみたいと思っているのです。ただ、何を飛ばすにしても、その設計の現在の状況は知りたいと考えています。飛ばしてみたいと答えるのはもちろん簡単ですが、私はそれほど単純ではありません。私が飛ばしたことのある乗り物はすべて、それがセスナ150であろうと、綿密に下準備をしてきています。システムはどのようにメンテナンスされているのだろうか?エンジンにひびが入っていないだろうか?徹底的に飛行前点検を行うのです。私はソユーズのパイロット経験もありますが、ソユーズについては10年間を丸ごと学習にあて、フライトコントロールの設計すべてとあらゆるシステムについて調べ尽くしました。このため、まずロシア語を話す勉強も必要となりました。そして何年もの間、シミュレーションを重ねたうえで、最終的にソユーズに乗り込んだのです。こうした経験から、もちろんDragonも飛ばしてみたいのはやまやまですが、宇宙船の飛行を最終的に安全なものにするにはテストパイロットと、宇宙船を設計したエンジニアの緊密な連携が不可欠なのです。なので、Dragon V2を飛行させる機会があれば、明日にでもSpaceXに出向き、チームとともに作業を開始し、彼らが何も見落としていないことを確認し、成功する機会を向上させるために私が持っているすべての知識と経験を役立てたいと考えています。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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