AMDはComputexで、同社のメインストリームプロセッサ「Kaveri」のモバイル版を発表した。Intelの「Core i5」や「Core i7」プロセッサに匹敵する製品になるという。これに加えてAMDは、ビジネスシステム向けの新ブランド「Pro」シリーズを発表した。
AMDは、2013年の展示会でKaveriのデスクトップAPU(Accelerated Processing Unit)を初めて披露し、2014年に入って出荷を開始した。アーキテクチャの基本は変わっていない。改良されたCPUコア「Steamroller」に、AMDの「Graphics Core Next」アーキテクチャと「Radeon R7」シリーズのGPUが組み合わされている。NVIDIAの「192コア搭載」の「Tegra K1」に倣い、Kaveriのモバイル版は最大12個の「演算コア」(汎用CPUコア4個とGPUコア8個)を搭載するとAMDは述べた。同社によると、これらの演算コアは合計で、最大818ギガフロップス(GFLOPS)の性能を実現するという。モバイル版Kaveri APUを採用するノートPCは2014年のうちに、Acer、ASUS、Dell、Hewlett-Packard(HP)、レノボ、サムスン、東芝などから発売される予定である。
AMDのモビリティ製品ライン担当シニアディレクターを務めるKevin Lensing氏は、Kaveriは、同社のHeterogeneous System Architecture (HSA)を採用してCPUとGPUを組み合わせたAMD初のモバイルチップであると述べた。つまり、同システムは、これまでよりも簡単に一部の演算タスクをCPUからGPUにオフロードして、性能を向上させることができる。AMDは例として、Kaveriシステムが「Open CL」によるハードウェアアクセラレーションを利用して、Intelの「Core」ベースのシステムよりもはるかに高速に「Adobe Photoshop」のフィルタを適用できる様子をデモした。
AMDは、ビジネス向けノートPCの分野でもIntelに対抗するつもりだ。この分野では、同社は「vPro」に大きく差をつけられている。新しいAMD Proシリーズには、消費者向けバージョンとは一線を画す3つの特長がある。まず、どの価格帯のバージョンでも、ProのAPUの性能は消費者向けバージョンよりも高くなる見込みだ。2つめに、同一モデルが消費者向けバージョンよりも長期間提供される予定である。最後に、BIOSやドライバをほとんど変更することなくより安定性の高いソフトウェアイメージを実現するとAMDは約束している。Lensing氏は、ProシリーズによってAMDは、HPの「EliteBook」製品ラインなどの商用システムに進出しつつあると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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