アップル、「iOS 8」を発表--「HealthKit」など新機能多数搭載

Zack Whittaker (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2014年06月03日 07時20分

 Appleは米国時間6月2日、サンフランシスコで開催されている「Worldwide Developers Conference(WWDC)」で「iPhone」と「iPad」向けの最新モバイルOS「iOS 8」を発表した。これで、1週間にわたるアプリ開発コミュニティー向けの開発者イベントであるWWDCの幕が開いた。

 Appleの最高経営責任者(CEO)を務めるTim Cook氏は、この新しいソフトウェアには2つの柱があると述べ、アプリ開発者がこれまでにないような新しいアプリを構築できるように支援する、新しい開発者向け機能を提供すると付け加えた。

 シニアエグゼクティブのCraig Federighi氏は壇上で、iOS 8は前バージョンの成功の上に成り立っており、多数の新機能を搭載すると述べた。

  • エンタープライズ機能:iOS 8には、エンタープライズを対象とした管理性を高めるための機能が多数搭載される予定。例えば「Device Enrollment Program」は、アプリ、メール、連絡先などを自動的に端末に設定する。また、メッセージごとのS/MIMEや、VIPメッセージスレッドも導入される。
  • 「HealthKit」:うわさやリーク情報では「Healthbook」と名付けられていた、待望のアクティビティトラッカー。サードパーティーアプリと連動する。主要な医療機関と統合し、医師や病院と連携することができる。
  • 「iMessage」の改良:スレッドに対する名前付け、グループメッセージユーザーの追加と削除が可能になる。音声または動画を一斉同報するプッシュツートーク(PTT)にも対応する。また、友人や同僚との待ち合わせが必要な場合に自分の場所を共有することができる。
  • Continuity(継続性)を実現するハンドオフ機能:「Mac」での作業を別の端末に移す必要が生じた場合、iOS 8を搭載するiPhoneまたはiPadへの「ハンドオフ」が可能だ。携帯端末とデスクトップまたはノートPCとの間で、近くにあるいずれの端末上にも通知が表示され、シームレスに作業を移すことができる。
  • 「iCloud Drive」:最新ソフトウェアiOS 8を搭載するiPhoneとiPadは、クラウドベースのファイルマネージャに似た独自の専用アプリで「iCloud」を閲覧できる。
  • 家族間共有:家族を「ユニット」として設定することにより、カレンダーやリマインダーリストに加えて購入済みのメディアを共有することができる。同じクレジットカードを共有する6人の家族の間で、コンテンツがダウンロード可能だ。家族の中の子どもがアプリを購入したい場合は、その家族の中の成人がiOS 8搭載端末からその購入を承認することができる。
  • 「QuickType」キーボード:後に続く入力語の候補を予測する新しい機能により、テキストメッセージや電子メールをこれまでよりも速く入力することができる。複数の言語をサポートし、ユーザーのプライバシーを考慮してキー入力がその端末以外で流用されることはない。
  • インタラクティブな通知:実行中のアプリを離れることなく、通知をプルダウンしてそこで返信することができる。
  • iMessage全体にわたるテキストメッセージの同期:データベースのiMessageの成功に基づき、従来型のSMSメッセージが、Macから他のiPhoneやiPadにいたるまでのすべての端末間で同期される。
  • 「Spotlight」検索の向上:映画館で上映中の映画のほか、ユーザー個人の音楽コレクションや「iTunes Store」から楽曲を検索できるようになった。全体としては、追加された情報源からより多くのデータが表示され、検索機能全体が効率化、高速化するとともに、使いやすくなっている。
  • 「Siri」の改良:音声によるアシスタント機能に音楽認識ツール「Shazam」が搭載された。また、ストリーミング音声認識機能もサポートする。Appleによると、対応言語に22カ国語が新たに加わったという。

 新しいソフトウェアは、「iPhone 4S」以降、「iPad 2」以降、iPod touch (第5世代)以降のバージョンの端末で動作する予定だ。

 iOS 8は、2014年中にリリースされる予定だ。iPhone 6が発表されると予測されている8月あるいは9月頃になるという報道もある。

提供:CNET/CBS Interactive
提供:CNET/CBS Interactive

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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