今年もまたこの時期がやってきた。Appleファンが同社の年次開発者会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」のためにサンフランシスコのモスコーンセンターに集う時期だ。
カリフォルニア州クパチーノに拠点を置くエレクトロニクス大手のAppleは米国時間6月2日から6日まで、今後1年で何が登場するかの一部を世界に向けて披露する。Appleは、過去においてWWDCの基調講演を新製品発表の機会として使ってきた。しかし、近年においてはソフトウェアにより焦点をあてており、新しいモバイルデバイスの発表は別のイベントに任せている。
GartnerのアナリストVan Baker氏は、「Appleは、『iOS』に対する開発の勢いを保つ必要がある。それほどでもないが『OS X』に対しても同様だ」と述べる。「それこそが同イベントで焦点が置かれる部分だ」(同氏)
Appleは2013年、「iOS 7」「OS X 10.9 Mavericks」「iTunes Radio」「Mac Pro」そして新しい「MacBook Air」を披露した。
Appleは、自社のいつものやり方にのっとり、何を今回発表するかについて口を閉ざしている。同社のWWDCアプリは、開発者向けセッションの多くについて、内容を「ノーコメント」「これは秘密」「シーッ、まだ内緒」などと表記している。その結果、一部のブログは、Appleが何か「本当に大きなこと」を用意している可能性があると推測している。
さて、2日に何を目にすることになるのだろうか?大部分は多くのソフトウェアだろう。米CNETが耳にしているのは、WWDCで新しいハードウェアは出てこないだろうということだ。しかし、Appleがサプライズをいくつか出てくる可能性は常にある。
WWDCは、Appleが開発者に向けて語りかける年に1度の機会だ。そして、その発表の多くは、アプリメーカーに向けたものになるだろう。AppleのモバイルOSであるiOSに対するアップデートはほとんど間違いない。iOS 8は、iOS 7ほど変化としては劇的にはならないだろう。しかし、メーカーやユーザーを満足させ続けるため、気の利いた修正がいくつか施されるはずだ。ただし、新しい機能の多くはiOS 8ではなくiOS 8.1で登場すると一部では推測されている。
可能性が高い追加について言えば、大物といえるのは「Healthbook」だ。長い間うわさされた同機能は、健康上およびフィットネス上のデータを1カ所に集めるためのハブとなる可能性がある。それは、ちょうどAppleの「Passbook」がチケットやギフトカードでしていることと同じだ。Healthbookは、Apple製ウェアラブルに向けた第一歩になるのかもしれない。または、統合されていない状態にある健康ガジェットやアプリを結び付ける手段になるのかもしれない。
また、Appleは、「CarPlay」に関してより多くの機能を発表する可能性がある。同社は、CarPlayを3月にiOS 7.1で登場させているので、さらなる修正には時期尚早かもしれないが、より多くのアプリが登場するかもしれない。CarPlayは、「iPhone 5」(およびそれ以降)を使って車内のダッシュボードに搭載されたタッチ画面に情報を表示する。インターフェースはiOSに似ているが、携帯電話やタブレット上の表示と比較した場合、シンプルになっている。機能も限定的だ。「Siri」はメッセージを読み上げ、口述した返信を書きとめてくれるが、ただ単にユーザーは地図や楽曲にアクセスできるようになるだけだ。
徹底的な修正が痛いほど望まれている機能に「Maps」がある。2012年のiOS 6におけるApple製地図プログラムの登場は、iPhoneユーザーを怒らせ、少なくとも幹部1人の解雇という結果につながった。その幹部とは、ソフトウェアを統括していたScott Forstall氏だ。Appleは、iOS 8でなんらかの大きな変更を発表する可能性があり、それには公共交通機関の乗り換え情報の復帰が含まれるかもしれない。
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