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デジタルマーケのプロ集団「BICパートナーズ」発足の狙い--主宰の横山隆治氏

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 デジタルインテリジェンスは、デジタルソリューションに関するエキスパート企業10社による「ベスト・イン・クラス パートナーズ(BICパートナーズ)」を発足する。企業のデジタルマーケティングにとって最適なパートナー選びと戦略立案をコンサルティングし、効果的なマーケティングを実現するのが狙いだ。

 BICパートナーズを発足する背景や具体的な活動について、BICパートナーズを主宰するデジタルインテリジェンスの代表取締役である横山隆治氏に聞いた。

企業のオウンドメディア構築に最適なパートナー選びを支援

--BICパートナーズを発足させる経緯について教えてください。

  • デジタルインテリジェンスの代表取締役である横山隆治氏

横山:この2、3年は広告主企業のオウンドメディア施策に関心が高まっており、自社サイト以外の情報発信チャンネルとして、生活情報メディアやソーシャルメディアを広告主企業が運営するなど、オウンドメディアのコンテンツ開発に億単位の予算が投下されるケースも少なくないという状況になってきました。ただ、ここでひとつ問題なのは、ストック型コンテンツで中長期的にPDCAサイクルを運用するオウンドメディア施策を進めるうえでのものごとの判断基準を、広告主企業が十分に理解していないのではないかということです。この施策は、ペイドメディアに広告を出稿するのとはまったく異なります。

 オウンドメディアの開発や戦略立案を誰かに頼もうとしたとき、まずは社外の協力会社などに対してコンペを行うことが多いと思うのですが、実際に提案された企画を選ぶうえでのリテラシーが低ければ、オウンドメディアのプランを決めるうえでの判断基準やコンテンツで目指すべき軸が、あいまいになってしまいます。それでは効果的なオウンドメディアは構築できません。ペイドメディアのコンペは慣れているので知見が蓄積されていますが、オウンドメディアの場合はそういった知見がないので、何が良いプランなのかわからないというのが現実でしょう。そして、結果的に損をしてしまうのは、広告主なのです。

 オウンドメディア施策を成功させるためには、広告主のニーズに対してどのような長所を持ったパートナーと、どのようなコミットメントで付き合っていけるかを考えることが重要であり、そして企業を深く理解して中長期的なPDCAサイクルを運用することができる“Always On”のパートナーを選ぶことが大事なのです。そうした観点からのパートナー選びをコンサルする目的で、BICパートナーズを発足させます。

--たしかに、広告主も広告会社もペイドメディアでの広告施策に慣れてしまっていますよね。

横山:広告会社はメディアを売るためにサービスを提供するのが本来の仕事なので、オウンドメディアの施策に対してどのようにソリューションを提供すべきかという知見が、まだ少ないのではないかと思うのです。

 いまのデジタルマーケティングは、ペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディア、それぞれの領域が奥深くなりテクノロジーも進化していて、その変化のスピードも速いのです。こうした現状に対応するためには、広告主の窓口になる担当者はワンストップでなんでもできる“ジェネラリスト”ではなく、より専門領域における“プロフェッショナル”でなければなりません。そして、そうしたプロフェッショナルを背後で束ねる機能が必要でしょう。そうしなければ、昨今のスピード感あるデジタルマーケティングには対応できないと思います。

 実際のところ、広告会社にはオウンドメディアのプロフェッショナルと言えるフロントマンが少ないと言わざるを得ません。一方で、広告主のマーケティング部門は本当のマーケティングプロフェッショナルが不在のケースが多く、“外注を管理する部門”になってしまっていませんでしょうか。協力会社に丸投げしてしまっている場合が多く、本来あるべきマーケティング部門の姿ではないように見える面も多くあります。

--参画する10社はどのような特長を持っていますか。

横山:参画するインテグレート、コンセント、インフォバーン、SPARK、エクスペリエンス、P.I.C.S、FICC、ゆめみ、エンゲージメントファースト、ワン・トゥー・テン・デザインの10社は、今の日本においてデジタルコンテンツを開発するエキスパート集団です。データドリブンに長けた企業と、アイデアでコンテンツを創造する企業とがバランスよく参画していただいていて、広告主の要望に合わせて複数の企業で最適なソリューションを提供していきます。

 また、BICパートナーズはパートナー企業のコンサルティングだけではなく、企画立案・プロデュースもしていきます。具体的には、フリーランスのプランナーや参画企業のメンバーが集まった「BICプロデューサーズ」というエキスパートチームを結成して、オウンドメディアを構築していく上でのプランニングや進行管理を行い、時には広告主のリテラシー向上のためのコンサルティングも展開します。

 広告主のニーズに合わせてベストなチームを作ることにより、広告主にとって適切な“Always On”のパートナーシップを生み出せるのではないでしょうか。パートナー企業やプロデューサーは、今後規模を広げていく予定です。

 フロントでクライアントと向き合うプロフェッショナルであるBICパートナーズと、バックエンドで全体のかじ取りしていくBICプロデューサーズが企業をサポートすることで、広告主に成長を促しながら戦略的にマーケティングを考えられると思います。

企業のオウンドメディア施策にある課題

--ところで、CNET Japanでオウンドメディアでの施策を取材すると、企業によってオウンドメディアの定義や考え方がバラバラなのに驚かされます。

横山:CRMをやっている部署、販売促進をやっている部署、広告をやっている部署、広報をやっている部署、ウェブサイトを運営している部署……こうしたオウンドメディアに関わっている部署のベクトルがバラバラなのが問題なのだと思います。オウンドメディアは手段こそさまざまあれど、概念はすべてを統合しているものであり、ブランドとしてのストーリーやコンテンツをどのように戦略的に生み出していくかを全社的に考えていく必要があるのです。そうした全体をコントロールする役割が企業の中になく、包括的な戦略が生み出せていないのが大きな課題です。

 重要なのは、そうした現状を理解して経営のトップが「誰にそのかじ取りをさせるのか」を決めて任せていくことであり、CMOのようなマーケティングスペシャリストが不在のままだと、企業のマーケティング活動から生まれるさまざまなビッグデータを駆使して、大きな成果を生み出すこともできません。マーケティングスペシャリストの養成は、日本の経済界にとって大きな課題であり、データマーケティングのノウハウやマーケティングツールの戦略的な活用で、先進的なグローバル企業との競争に打ち勝つことはできないでしょう。

 自分の顧客と将来の顧客とどのように向き合い、どのようなコミュニケーションを生み出すのかを考える「マーケティング」は、企業経営の根幹であり、広告や販売促進がマーケティングなのではありません。企業の経営者はその重要性に早く気が付くべきであり、マーケティング部門は会社組織の根幹において、スペシャリスト集団を作ることで、より戦略的にマーケティングを推進するべきではないでしょうか。マーケティングに費やす予算は、「コスト」ではなく「投資」であるはずなのです。

--特にオウンドメディアについてはROIが見えづらく、予算を「コスト」だと思う経営者は多そうですね。

 日本は、今後人口減少で消費活動が減っていくという状況にあります。この状況下、企業はどうやってライフタイムバリューを向上させるか、どうやって顧客に対してクロスセルをしていくかを考えなければなりません。ブランドや製品を個別で考えるのではなく、企業があらゆる事業を横断的に考えてマーケティング戦略を考える必要があるのです。そのためには、企業のトップがもっと全社的なマーケティング戦略に対して、強い意識を持たなくてはならないと思います。

 日本の経営者の中には「マーケティングは科学だ」と考えられる人は少なくて、いまだに“経験と勘”を信奉する傾向があります。しかし、さまざまな分野で日本企業の勢いが衰退している状況を鑑みると、その大きな要因の1つには経営者が本質的なマーケティング活動をおろそかにしてきたからだと言えませんか。

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