NTTドコモなど、モバイルネットワーク仮想化の実証実験に成功

 NTTドコモは5月27日、次世代モバイルネットワークの実現に向けたパートナーシップを結ぶAlcatel-Lucent、シスコシステムズ、NECの3社とネットワーク仮想化技術に関する実証実験に成功したと発表した。通信混雑時のつながりやすさや、通信設備故障時の通信サービスの継続性の向上が期待される。

  • 客が利用するデータ通信量に応じて通信設備の処理能力を増やす機能

 ネットワーク仮想化技術は、通信混雑時に通信のつながりやすさを向上させ、通信設備故障時に通信サービスの継続を可能とするもの。2012年より世界のさまざまな業界団体における標準化、ベンダーにおける製品開発が進められているという。

 今回の実証実験では、LTEなどの無線アクセスを収容し、ユーザーの認証や移動中のデータ通信を維持するための移動制御、課金機能などを提供する通信設備「EPC(Evolved Packet Core)」のソフトウェアに仮想化技術を適用し、EPCの基本的な動作を確認した。

  • 通信設備が故障した際に別の通信設備を用いて予備構成を再構成し、データ通信を安定的に継続する機能

 加えて、EPCを管理するシステムからの制御により、ユーザーが利用するデータ通信量に応じて処理能力を増やす機能や、ハードウェアが故障した際に自動かつ短時間で別のハードウェアを用いて予備構成を再構成し、データ通信を安定的に継続する機能の動作を確認したという。

 ドコモは、国際標準化団体でネットワーク仮想化に基づく次世代モバイルネットワークの標準化に関わる主導的な活動を実施。今回の実証実験結果に基づいて、引き続き通信設備を構成するハードウェアやソフトウェアを複数のベンダーで自由に組み合わせた実証実験を行い、2015年度の商用化を目指すとしている。

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