スカパーJSATとNTT東日本、NTT西日本の3社は5月21日、「フレッツ・テレビ」「スカパー!プレミアムサービス光」の商用ネットワークを用いた4K映像伝送に成功したと発表した。既存のHDサービスと4K映像を同時に伝送できる。
4K映像は3840×2160 60pで、データレートは映像が35Mbps、音声が128Kbps。エンコード方式にはH.265/HEVCを採用する。
4K放送は、東経124/128度CSデジタル放送を利用した試験放送「Channel 4K(ちゃんねるよんけい)」を一般社団法人 次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)が6月2日から開始する予定。スカパーJSAT取締役執行役員副社長の仁藤雅夫氏は「衛星に加えネットワークも4K放送の有料な伝送路になる」と意気込む。
発表会場では、ユーザーの自宅に見立てた受信環境を構築し、HD対応テレビと4K対応テレビを展示。ネットワーク経由で送られてきたHD映像と4K映像をONU(回線終端装置)で受け取り、HD映像を既存のSTB(セットトップボックス)、4K映像を4K再生装置へと分配し、それぞれの映像を再生した。
4K再生装置にはH.265/HEVCでエンコードされた映像をデコードするHEVCデコーダを内蔵。高効率な圧縮ができるため、放送波同等の35Mbpsという映像データレートを実現する。また分配器を利用することで、テレビを複数台接続できるため、既存のHDサービスと4K映像を台数の制約なく視聴できるとしている。
今後は2015年度の早い時期を目指し提供を開始する予定。「Channel 4Kは4K放送を広く周知させるためのチャンネルだが、我々は有料の商用サービスもやっていきたい」(仁藤氏)と商用サービスとしても取り組んでいく姿勢を示した。
利用するには光ファイバと対応チューナ、4Kテレビが必要であり、アンテナ設置の必要はない。フレッツ光の契約者数は現在1805万世帯。アンテナの受信状況などから地上、BS放送の再送信を利用しているのは約160万世帯にのぼる。提供可能都道府県は24都道府県となり、対象世帯は3219万世帯とカバー範囲も広い。
「4K8K時代は必ず来る。その時の強力な伝送手段として開発を進めていきたい」と仁藤氏は今後の展開を話した。
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