Braavaにはボタンが3つしかない。それらは、から拭き用と水拭き用、電源のオンオフを行うボタンだ。また、から拭き時と水拭き時にはそれぞれ専用のクリーニングヘッドを装着することになる。から拭き用のヘッドには使い捨ての住宅用掃除シートも使えるようになっており(製品にはマイクロファイバー製のから拭き用の布も付属してくる)、水拭き用のクリーニングヘッドには水をためておくタンクが装備されている。
ヘッドの交換や布の取り替えは簡単だ。水拭き用のクリーニングヘッドは細長いマジックテープのようなパッドを使用して、布を所定の位置に固定するようになっている。一方、から拭き用のクリーニングヘッドには布を押し込んで留めるための溝が付けられている。
クリーニングヘッドをセットしたのであれば、掃除を始めたいところにBraavaを持っていき、フロアに置き、から拭きか水拭きかを指示するボタンを押すだけだ。するとBraavaは、ちょっとした陽気なメロディを奏でた後、清掃に取りかかり、から拭きモードでは真っすぐ順々に拭いていき、水拭きモードでは弧を描くような拭き方をしながら優雅に進んでいく。掃除が終了した時点でBraavaは掃除開始場所の近くにまで戻り、「清掃終了」のメロディを奏でた後、ドックに戻してもらえるのを辛抱強く待つ。
米CNETがテストした他のほとんどのロボット掃除機と比べると、Braavaは明らかに少し手がかかり、それは筆者がロボット掃除機に期待しているレベルを超えていた。Roombaであれば朝、カーペットに落ちたパンくずを残したまま出勤しても、帰宅した際には見違えるほどきれいなフロアになっている。Braavaはそのレベルまで自動化できないのだ。
もっともBraavaのこのモデルは、われわれがテストしたRoombaの最上位モデルよりも安価である(Roombaの最新モデルはBraava 380tの2倍以上の価格だ)。それでもBraavaは、筆者がiRobotの製品に期待しているスマートさや機能の豊富さには及んでいない。
搭載機能の点は別にして、このロボットの本当の実力は実際にどれだけきれいに掃除できるかどうかである。このため、われわれは板張りと、ビニール、新品のセラミック製タイルという3種類のハードフロアを用意してテストすることにした。用意した床材は、米CNETでIT製品のテスト分析を担当するJared Hannah氏によって注意深く組み立てられた。
われわれは、スプーン山盛り数杯分の疑似チリの他に、筋状の泥汚れやスパゲッティソース、油といったものを対象に、Braavaがどの程度うまく汚れを落とせるのか調べてみた。
最初はチリから試してみた。まずBraavaのから拭き用ヘッドを使い、それぞれのフロアの表面にばらまかれた0.5オンス(約14g)分の疑似チリを掃除させてみた。何度か試したものの、Braavaは毎回チリを壁際に押しやるだけで、マイクロファイバーの布にはほとんど吸着されなかった。つまり、床用モップと言うよりも雪かき車のようであった。部屋の中央はおおよそきれいになっていたが、筆者がアレルギー体質なのであれば、鼻水が止まらなかったはずだ。素晴らしい結果とは言い難い。
Braavaのナビゲーションは良くできていると言える。どのテストにおいても拭き残しはなかった。ただ、この手の布はチリ状のものをうまく絡め取るには向いていないのだ。泥やペットの毛を混ぜればまだましであったかもしれないが、から拭きモードではともかく不満の残る結果となった。掃除前のフロアが既にある程度きれいであり、ちょっと拭き掃除するだけで十分だという場合でもない限り、すこぶる役に立つとは言えないだろう。
次に水拭き用ヘッドに交換し、チリをもう少しうまく扱えるかどうか試してみた。するとうれしいことに、ずっと優れた結果が得られた。ビニールフロアの掃除前と掃除後の写真を見てもらえれば分かるように、掃除後には白いチリが見当たらず、壁際に押しやられたチリもなかった。
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