要請があった場合にGoogleは特定の検索結果を削除しなければならないとする司法判断を受けて、医師と政治家、小児性愛者が自分に関するオンライン情報へのリンクの削除を求めている。
欧州連合(EU)司法裁判所は現地時間5月13日、個人のプライバシーを侵害するおそれのある情報が検索結果に含まれている場合、Googleなどオンラインサービスを提供する企業はその人物からの検索結果削除要請に従わなければならないとの判断を下した。当然、Googleはその判断を批判し、「失望させる内容」だと評した。同社は米CNETに対し、「この判断がもたらすさまざまな影響を分析する時間が必要だ」と述べた。
そうした影響は既に現れ始めている。少なくとも、BBC Newsが15日に報じた3件の削除要請という形で現れている。
1つ目は医師からの要請で、患者がレビューサイトに書いた否定的なフィードバックを検索結果から削除するよう求めている。2つ目は元政治家からの要請で、在任中の自身の行動に関する記事へのリンクを削除するようGoogleに求めている。3つ目は児童ポルノ所有の罪で有罪判決を受けた男性からの要請で、自身の有罪判決に関するページへのリンクの削除を望んでいる。
Googleは「忘れられる権利」を認める司法判断が13日に下されてから受けた要請の件数やその内容について、詳細を公表していない。しかし、この状況に詳しい情報筋は米CNETに対し、BBC Newsが引用した3件の要請は事実であると認めた。
Googleの会長であるEric Schmidt氏は14日、株主との会合の中で、EU司法裁判所は忘れられる権利と知る権利の間の適性なバランスを取っていないと語った。Googleのコーポレートデベロップメント担当シニアバイスプレジデント兼最高法務責任者(CLO)のDavid Drummond氏は、「この判断は行きすぎであり、間違いなく人権の1つである表現の自由への影響を、十分に考慮していないとわれわれは考えている」と付け加えた。
米CNETはGoogleの広報担当者から以下のコメントを受け取った。
「今回の判断は、当社が削除要請を処理する方法に極めて大きな影響を及ぼす。これはロジスティック上、複雑だ。関連する言語が多数あることや入念な精査の必要性を考えると特にそうだ。今後、そうした要請に適切に対処する方法を検討し、結論が出たらすぐに当社ユーザーにお知らせするつもりだ。これには数週間かかるかもしれない」(Google)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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