Nikeの「FuelBand」に携わっているエンジニアらや、ハードウェアや製造にかかわっている他の専門家たちが、ウェアラブル技術をはじめとする新興分野での新製品提供で競う大手IT企業の人材獲得リストの上位に名を連ねているという。
米CNETは、Nikeが10日ほど前に、デジタルスポーツ部門下のウェアラブル製品に関連するハードウェアチームの大半を解雇した(70人いた同チームのうち、最大55人が解雇されたという)との情報を得た。Nikeの最高経営責任者(CEO)Mark Parker氏は米国時間4月25日、同社の注力対象をソフトウェアに移しつつあると認めた。FuelBandに携わる多くの従業員は、Nikeの会計年度末である5月末まで同社に残る予定だ。
2014年に入ってGoogleに32億ドルで買収されたスマートデバイスの製造元であるNestは、解雇通知を受け取ったNikeの従業員を獲得しようと最初に動いた企業の1つだ。TechCrunchの報道によると、Nestは4月24日、同社のチームメンバーを、オレゴン州ビーバートンにあるNikeのグローバル本社に派遣したという。スマートサーモスタットや、インターネットと連携する煙感知器を製造しているNestは、カリフォルニア州パロアルトの同社チームに参加する意思を推し量るために、FuelBandのエンジニア向けの「緊急インタビュー」を地元のホテルで実施したと伝えられている。
また、MicrosoftとIntel、そして仮想現実ヘッドセットを開発しており、先月Facebookによる買収が発表されたOculus VRも、FuelBandのハードウェアチームのメンバーを狙っているという。事情に詳しいある人物が米CNETに語った。
さらに同人物によると、Appleの採用担当者も、NikeがFuelBandの開発を開始した2011年以来、NikeのDigital Sport部門の従業員との話し合いの場を持ってきているという。しかし、「iWatch」という名で呼ばれているスマートウォッチか、FuelBandのようなフィットネスバンドのいずれかだとうわさされているAppleのウェアラブル製品に関して、AppleとNikeがどのような関係を構築してきているのかは明らかになっていない。このためAppleによる人材獲得についても詳しいことは分からないものの、NikeのCEOであるParker氏は両社がパートナー関係にあることをほのめかしている。
同氏は25日、CNBCで「NikeとAppleの関係はこれからも続いていくと言える」と述べるとともに「Nikeの社員すべてと同じく、私も個人的に今後についてわくわくしている」と述べた。
先の人物によると、この発言が、退社したFuelBandチームメンバーのAppleへの優先雇用を意味しているかどうかは分からないという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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