受信最大150Mbps、より安定した通信を--KDDI、次世代通信技術対応のスマホを今夏投入

 KDDIは4月21日、LTEネットワークに関する説明会を都内で開催した。KDDI 技術統括本部長の内田義昭氏が登壇し、2014年夏を目処に日本で初となるキャリアアグリーゲーション(以下CA)の導入と、この夏発売予定のスマートフォンから対応することを発表した。

KDDI 技術統括本部長 執行役員常務の内田義昭氏
KDDI 技術統括本部長 執行役員常務の内田義昭氏

 CAとは、LTEの次の高速通信規格に位置づけられている「LTE-Advanced」で用いられる技術。異なる周波数帯の帯域幅を合わせることで、さらなる高速通信を実現するものだ。KDDIではそれぞれ受信最大75Mbpsで通信可能な、2.1GHz帯の10MHz幅と800MHz帯の10MHz幅を合わせて計20MHz幅とすることで、受信最大150Mbpsの高速通信を実現するとしている。

800MHz帯の実人口カバー率99%LTEエリア化に続き、2.1GHz帯も今年度末までに90%超のLTEエリア化を目指す
800MHz帯の実人口カバー率99%LTEエリア化に続き、2.1GHz帯も今年度末までに90%超のLTEエリア化を目指す

 KDDIでは800MHz帯を用いて、3月末時点ですでに全国実人口カバー率99%のLTE網を整備済み。「800MHz帯だけでなく、2.1GHz帯も3月末時点で実人口カバー率85%というところまで来ている」と内田氏は話す。「2014年度中にはさらに90%超まで拡大する予定」とした。800MHz帯のLTEエリア化がほぼ完了、2.1MHz帯でもエリア整備の目処が立ったことを受けて、他社に先駆けて次なるステージのLTE-Advancedへと歩みを進める計画だ。

CAは通信速度の向上だけでなく、通信の安定やネットワークの効率化にも貢献
CAは通信速度の向上だけでなく、通信の安定やネットワークの効率化にも貢献

 LTE-Advancedでは、広帯域化、小セル化、多アンテナ化によって、より高速で安定したモバイル通信を実現する。小セル化ではマクロセルとスモールセル間の干渉を抑制する「eICIC」や複数の基地局を協調させる「CoMP」、多アンテナ化では「MIMOの高度化」などが主要技術となるが、KDDIでは中でも広帯域化を実現する「CA」から導入を開始。800MHz帯の10MHz幅、2.1GHz帯の10MHz幅を合わせて使えるCA対応基地局の整備を進めるとともに、対応端末も順次投入していく。今夏発売予定の新製品でも、スマートフォンなど複数の端末がCA対応となる見込みだ。

都心部に多く設置されているピコセルも順次、CA対応基地局化が実施されている
都心部に多く設置されているピコセルも順次、CA対応基地局化が実施されている

 内田氏によれば、CA導入のメリットは(1)通信速度の向上、(2)安定した高速通信の実現、(3) ネットワーク全体の効率化の3つ。対応端末では2つの周波数帯を同時に受信できるため、それぞれの受信最大速度である75Mbpsと75Mbpsをあわせた、受信最大150Mbpsの高速通信が可能となる。あわせて2つの周波数が互いのスループットを補い合う「周波数ダイバーシティ効果」によって、「スループットの変動が激しい環境でも、安定した通信が実現できる」という。また、どちらか一方の周波数帯にアクセスが集中して混み合った場合は、空いている方の周波数帯を動的に割り当てることができるため、ネットワークを効率的に利用できると語った。

 「短期間で基地局を拡大してきたauの強味であるエンジニア力を活かし、CA対応基地局を拡大していく」(内田氏)。都心部などに設置されているピコセル(スモールセル)基地局も、順次CA化が実施されているという。KDDIでは昨年10月から、地方など一部エリアの2.1GHz帯で受信最大150Mbpsの高速通信サービスを開始しているが、CAの導入によって今夏からは高速通信対応エリアが都心部にも拡大。2.1GHz帯のみの高速通信対応基地局は現在、全国700局に止まっているが、CA対応基地局は全国2500局からスタートし、今年度末には2万局まで拡大する計画となっている。

 「LTEエリアを99%までするのは大変だったが、その分だけ優位性がある」と、他社に先駆けた高速通信サービスの展開に自信を見せる内田氏。今後の方針について「CAの全国展開とともに、現在試験中のeICICなども実装して、さらなる高速化を進めていく」と語った。

  • 今夏からCA対応端末を投入。対応端末ではこれまでのような地方や郊外だけでなく、都市部でも150Mbpsの高速通信が可能になる

  • 今年度末までにCA対応基地局を2万局まで増やす。高速対応エリアの広さで、他社を引き離す考えだ

  • 2020年代に導入が予定されている5Gに向けて、ネットワークの高速化を加速していく方針が明らかにされた

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