大量の特許を保有し、「パテントトロール」と呼ばれることもあるIntellectual Ventures(IV)が、このほどMicrosoftとソニーから資金を調達したと新たに報じられている。
Reutersが米国時間4月11日付の記事でこの件に詳しい人々の話として報じたところによると、IVはMicrosoftとソニーから出資を受けて(金額は明らかにされていない)、さらに多くの知的財産を獲得しようとしているという。IVに以前出資したことのあるAppleとIntelは、今回の資金調達ラウンドへの参加を見合わせたが、その理由は不明だ。
IVはテクノロジ業界で大きな論争の的となっている。ワシントン州ベルビューを拠点とする同社は、大量の特許を収集し、これらの特許を侵害したとして多くの企業を狙い撃ちにしてきた。これまで標的にされた企業はさまざまな業界に及んでおり、テクノロジ業界のMotorola MobilityやSymantecだけでなく、Capital OneやBank of Americaなどの金融機関も標的とされている。IVの戦術は、他者の革新的技術を利用して利益を得ることしか目指していない「パテントトロール」の手法だと批判する人もいる。
これに対し約7万件の特許を保有するIVの側では、単に自社で保有する知的財産を米特許商標局の規定に沿って守っているだけだと述べている。IVはこれらの特許をライセンス供与することで利益を生み出しており、自らが実際に新製品を開発することは一切ない。
IVのような企業は数多くあるが、これほどの大手テクノロジ企業を後ろ盾にしている企業はほとんどない。Reutersの情報提供者や同社が入手した裁判所の書類によると、IVは以前、AppleとIntelからも現金で膨大な金額の出資を受けたことがあり、この資金でさらに多くの特許を取得したという。今回報じられたMicrosoftとソニーからの資金注入も使途は同じだろう。
米CNETはReutersの報道について各社にコメントを求めているが、本稿執筆時点では得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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