スマホ抜きのマーケティングは“リスク”--AISASすべてで必須のツールへ - (page 2)

新野文健(カケザン)2014年04月10日 10時00分

広告でも光り始めたスマートフォン

 さらにAttention。当然ながら、すでに多くのスマートフォン広告が登場している。メール広告、バナー広告、検索連動広告などだ。また、FacebookやTwitterの広告も、スマートフォン向けのものが多くなってきている。

 推計値であるが、D2Cの独自調査によると、スマートフォン広告の市場規模は2013年1~12月で2073億円。前年比259%と勢いづいてきている。米国では、2017年にスマートフォン広告がPC広告を逆転すると予測されている。それだけ、Attentionの段階でもスマートフォンの存在感が増してきているわけだ。

 メディア接触ではテレビがまだ圧倒的だが、今はマルチデバイスの時代だ。テレビを見ながらも、スマートフォンを持ち、別のことをしていたり、テレビからの情報と連動して検索したりする人が増えている。ニールセンの調査によると、スマートフォンを持ってテレビを見ている人は61%に上るという。

  • CMスキャンアプリ「LUX SHINY SCAN」

 これはカケザンが開発したアプリを使った事例であるが、画像認識によるCMスキャンアプリ「LUX SHINY SCAN」というものがある。ユニリーバ・ジャパンのヘアケアブランドである「LUX」のキャンペーンで、当該CMが流れたらスマートフォンをかざし、CMをキャッチすることでゲームのスロットマシンが回って、プレゼントに応募できるというものだ。YouTubeでも可能であり、CMが流れる30分前にプッシュ通知でアテンションするなどの工夫をし、盛況だった。

 いずれにしても、このようにスマートフォンはすでにAISASのすべての段階で活用できるデバイスとなっている。そのため串刺しにした企画も、アクションから遡る企画も、あるいは途中から入ってActionにつなげるような企画も、すべてこなすことができる存在といえる。むしろ、スマートフォン抜きでは、それが不可能な時代と言ってもいいのではないだろうか。

 とっくにキャズムを超え、機が熟しているスマートフォンをマーケティングに活用しないとなれば、それはむしろリスクであると改めて主張しておきたい。

(執筆:カケザン クリエーティブ・プランナー 新野文健)

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