アジアで存在感高めるマイクロアド(後編)--フィリピンでは「初年度から波が来る」

 アドプラットフォーム事業大手のマイクロアドがアジア展開を加速している。ここでは前回のベトナムに続き、フィリピンでの取り組みを紹介する。同社は2月26日にフィリピンに現地法人「MicroAdSEA Philippines」を設立した。同国では、ディスプレイ広告の統合管理プラットフォーム「MicroAd BLADE」のサービス提供に力を入れていくという。

 マイクロアドは、中国、香港、台湾、インドネシア、シンガポール、ベトナム、インドの7カ国に全11拠点を構え、MicroAd BLADEを販売してきた。APAC諸国においては2012年10月に中・英の言語と通貨に対応し、導入社数が500社(2013年11月現在)を突破するなど、アジア地域において有数のアドプラットフォーム企業へと成長している。

大企業とのリレーションが鍵

 フィリピンに拠点の設立を検討し始めたのは2013年3月。この頃から、フィリピン国内で広告展開をしている広告主や代理店から、シンガポールの拠点であるMicroAdSEAへの問い合わせが増え、フィリピンにおけるサポートのニーズの高まりを感じたことが進出のきっかけだったという。

  • フィリピン拠点が入居するビル

 市場の大きさも進出した理由の1つだ。ある調査機関によれば、GDP(国内総生産)に対する広告費の比率が2.26%と世界で最も高い。さらに、Googleが同国に拠点を構えていることなどもあり、広告主や代理店がネット広告をすでに使いこなしていることも同社にとって追い風となった。すでに現地企業数社と契約を締結しており、「2014年(初年度)からいきなり波が来る」(同社代表取締役 十河宏輔氏)と感じているという。

 フィリピン市場の開拓にあたっては「リレーションが大事」と十河氏はいう。これは東南アジアのどの国にもあてはまるが、大きな広告予算を持つ顧客企業は限られているため、そことつながるキーマンの見極めや関係構築が重要とのこと。日用消費財を扱ういわゆるFMCG系や日系・韓国系の電器メーカー、Eコマースサイトなどを運営する企業を中心に、「泥臭く営業していく」(同氏)という。

  • MicroAdSEA Philippinesの十河社長。ベトナム拠点の代表も兼務している

 MicroAd BLADEのようないわゆるDSP(デマンドサイドプラットフォーム)に対する現地の顧客企業の認知度については、グローバルに展開する広告代理店はすでに理解しているが、使用したことはないそうだ。これから顧客を啓蒙、教育していくフェーズだが、「今後ネット広告市場のメインストリームになっていくコンセプトだと確信している」(セールスディレクターのFarah Johnson氏)という。

 フィリピンでは英語が公用語の1つであるため、地場の人々が英語を話し、欧米のウェブメディアに多く接触することが特徴とも言える。MicroAd BLADEはGoogle、OpenXとの協業により欧米各国のウェブメディアに広告を配信できることを強みに市場を開拓していく。現地スタッフの採用にも力を入れており、2014年末までに200社への導入を目指す。

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