福岡市は3月29日、デジタルクリエーター、エンジニア向けの福岡移住をテーマにしたイベント「ぼくらの福岡移住計画 2014 in TOKYO」を開催した。福岡市は場所を選ばずに仕事ができるデジルクリエーターやエンジニアの誘致に力を入れている。イベントは、すでに東京から福岡に移住をしたクリエーターがその生活を語る「住」の部と、在福岡企業が求める人材を語る「職」の部の2部構成で行われ、企業の説明会や参加者の交流会も実施された。
住の部では、福岡市に拠点を移してフリーで活躍するウェブプロデューサーやプログラマー、ライター、東京から福岡市の広告代理店に転職したプランナーが登壇。子育て、古民家を改築して住む、シェアハウスでの暮らしなど、それぞれの視点から見た福岡市での生活と仕事の仕方について語った。
職の部では、LINE執行役員及びLINE Fukuoka取締役の池邉智洋氏が登壇した。現在、福岡市内に建設中で2016年に竣工予定の自社ビルの構想、それにともなうLINE Fukuokaの採用計画をテーマにセッションが設けられた。
池邉氏によれば、LINEは東日本大震災時に一時的に拠点を福岡市に移していたという。その経験から、福岡空港から福岡市内と海外へのアクセスの利便性、生活環境の快適さ、災害時のリスク分散の必要性を実感し、福岡への進出を決めたという。また、福岡市在住のエンジニア向けの勉強会を開催しながら情報交換を続けてきたことにより、人材のポテンシャルの高さを認識できたことも進出を決める理由となったと語った。
JR博多駅近くに現在建設中の新社屋は、東京と同規模とさせるべく職場環境の充実と近隣の環境に配慮したデザインを採用。低層部には図書館を設置して市民に開放する計画だという。
LINE Fukuokaでは現在、エンジニアからマーケーティングなどまで全職種で200名規模の社員を募集中だ。開設時には現行サービスの開発や運用が主となるが、将来的には福岡独自でLINEファミリーの新サービスを企画、開発、運営までを担う体制にしていく予定だという。
また、LINE Fukuokaが求めている人材は、スピード、クオリティ、フレキシビリティを重視。LINEの急展開を支える開発スピードを維持しながら品質を重視。ユーザー向けサービスであるがゆえに柔軟性も求められると語った。人材の募集に関しては福岡、九州エリアに限定せず全国から人材を募集するという。
交流会では参加企業がそれぞれ説明会を実施したりブースを設けたりするなどして、自社の取り組みを説明。参加者は熱心にその説明を聞いていた。
イベントの最後には高島宗一郎福岡市市長も参加。「創業特区」に選ばれたことで、今後スタートアップ企業を支援する制度の拡充と整備、及び法人税減税にも踏み込んだ積極的な施策を実施すると福岡市の取り組みと構想を説明。スタートアップ企業は福岡で元気になって欲しいと豊富を語った。
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