「引き続き、安心して利用してほしい」――LINEは3月28日、固定電話などと通話ができるサービス「LINE電話」について、番号偽装ができるのではないかという疑念の声が一部であがっていることを受け、サービスの仕組みを説明した。
LINE電話は、無料通話・メッセージアプリ「LINE(ライン)」において、国内外の固定電話やフィーチャーフォンと通話ができるIP電話サービス。日本の固定電話への通話が1分2円から、フィーチャーフォンへの通話が1分6.5円からと低料金で、かつ高品質な通話ができるのが特長だ。3月17日からAndroidスマートフォン向けに先行提供していた。
同社では、通話料金を大幅に下げられるIP電話の特性と、LINEのグローバルスケールメリットを活かした各地域での大規模な回線確保により低料金を実現していると説明。また、世界の複数の回線事業者のプレミアム回線を利用し、OSや端末ごとに音質をチューニングをすることで通話品質を安定させるとしている。
LINE電話では、着信相手の端末に発信者の電話番号が表示される番号通知機能を標準搭載している(auとソフトバンクの端末では表示されるが、NTTドコモの端末は非表示にする仕様になっている)。
LINEによれば、サービス開始以降、この番号通知の仕組みを利用して番号を偽装し、本人になりすまして悪用される恐れがあるのではないか、という懸念の声が一部で出ているという。具体的には、SIMカードを差し替えることで番号を偽造する手法があるというものだが、同社ではこれを「現実的には極めて困難」と否定する。
LINEでは、1つの電話番号を複数端末で同時に利用できない仕組みを採用しており、本人の電話番号として入力された番号に、LINE側からSMSで発信し、そこに記載された暗証番号を確認することで、利用や設定が可能となる。
すでにSMS認証されているアカウントへ、SIMカードの差し替えなどによって他の端末でログインした場合、もとの端末で再度SMS認証されるまでLINE自体を利用できないことから、誰にも気付かれず第3者がなりすまして悪用できる可能性は非常に低いとする。なお、現時点で日本の約5000万人のユーザーの9割以上が電話番号によるSMS認証を済ましているそうだ。
また、認証のために電話番号を入力する際に、第3者や他の端末の電話番号を入力した場合、入力した電話番号の端末にSMS認証が届くため、本人とまったく関係のない第3者の番号を利用して身元を偽装することは、「道端に落ちていた携帯電話を拾って犯罪利用するような非常に限定的な状況」(同)と説明した。ただし、ユーザーの動向を見ながらさらなる技術的対応策も検討するとした。
なお、番号通知機能を標準搭載したことについては、一般の電話や他の大手メッセンジャーアプリでも広く採用されており、ユーザーへの価値も大きいためと説明。また、番号が非通知であることによって発生する犯罪を抑制する効果もあるとした。
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