Oculus VRは米国時間3月19日、第2世代の開発キットとなる「Oculus Rift Development Kit 2」(DK2)の注文受付を開始し、同社の仮想現実(VR)ゲームに向けた構想がまた一歩実現に近づいた。
19日以降、ゲームメーカーはOculus VRのウェブサイトからこのヘッドセットを350ドルで予約購入できる。製品の出荷日は7月中を予定している。
Oculus VRによれば、このヘッドセットが持つ機能の多くは平均的なゲーマーに対応するものになっているという。これらの機能には、「低残像で高解像度のディスプレイや正確で低遅延のヘッドトラッキング」などの「重要な技術革新」が盛り込まれている。
DK2はOculus VRの新型プロトタイプである「Oculus Rift Crystal Cove」を下敷きとした製品で、残像が少ないOLEDディスプレイの採用により、シミュレータ酔いを軽減するとともに臨場感を向上させている。また、960×1080ピクセルの高解像度ディスプレイを左右両眼向けにそれぞれ搭載することで、鮮やかさ、色味、コントラストを改善した。
Oculus VRによると、さらに外側のカメラについても低遅延のヘッドトラッキングシステムの改良により、ユーザーは仮想世界の物体をのぞき込んでじっくり眺めたりすることが可能になるという。また、位置追跡もより正確になり、現実世界の動きをゲーム内でより忠実に再現できるようになっている。
そのほかの改良点としては、方向追跡機能の向上、遅延テスト機能の内蔵、ヘッドセットへのUSBポートの搭載、光学機能の向上などが挙げられる。また、ソフトウェア開発キットは再設計され、「Unity」と「Unreal Engine 4」という2つのゲームエンジンに「Oculus Rift」を組み込む際の最適化も実施された。さらに、「評判の悪い」コントロールボックスは廃止された。
このような改良にもかかわらず、Oculus VRによれば、「全体的な体験」はまだ十分ではなく、ゲーマーに実際に使ってもらえる状態ではないという。
「DK2はまだ『ホロデッキ』にはなっていないが、正しい方向に進むための重要なステップと言える」と同社は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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