さらに評価制度も変更した。リクルートが出資する前のコールセンターは営業色が強く、オペレーターも売上によって評価されていた。そのため、単価の低い旅行客に対して冷たく対応してしまうスタッフもいたそうだ。
そこで、同社では評価軸を売上から質へと徐々に変えていった。会話の質を定性評価するための基準を社内で共有するのは難しく、何度も議論を重ねてすり合わせていったという。その結果、コールセンターでの成約率は20%ほど上がり、さらにリクルートによる出資直後と比べて売上も約5倍に伸びたそうだ。
コールセンター以外の工夫としては、紙のバウチャーを使った「オフライン集客」がある。オンラインで集客するための施策としてディスプレイ広告も配信しているが、ネットで旅行予約をする習慣がまだ定着していないため、集客効率はそこまで高くない。その効率を上げることや、ネット広告に接触しない人も取り込んでいくことが目的だ。
2013年12月から2月にかけて、ホーチミンとハノイの2拠点で15~20%のディスカウント特典を盛り込んだバウチャーを合計100万枚配布した。その結果、1カ月の予約件数の3割を占める予約が、このバウチャーからのものだったという。バウチャーを印刷し、配布する人を雇うだけなのでオンライン集客と比べると費用対効果は高い。また、スーパーマーケットや空港、オフィスビルなどいろいろな場所で配布したところ、オフィスビルの効果が高い、ハノイよりもホーチミンの方が効果が高いなど、効果的なチャネルも見えてきたという。
2014年は、ホテルの空き室状況の管理、可視化の自動化を進め、通常の旅行予約サイトが持っている機能を徐々に拡張することに注力していくという。国内旅行に特化した予約サイトとしてトップクラスになることが当面の目標だ。
最後に、Mytour Viet Nam Vice Directorの向井悠紀子氏に、利用者に人気の国内旅行スポットを教えてもらった。1番人気はホーチミンから南にバイクで3~4時間のところにあるビーチリゾート「ブンタウ」。バイクで3~4時間と聞くと遠く感じるが、バイク社会のベトナム人にとっては普通なのだそうだ。
2つ目は「ニャチャン」。ホーチミンから飛行機で30分ほど。こちらもビーチリゾートだが、インターコンチネンタルホテルやシェラトンホテル、ヒルトンホテルなど星付きのホテルが揃い、外国人も多く訪れるという。そして3つ目が、日本でも知られる「ダナン」だそうだ。次の旅行プランの参考にしてみてはどうだろう。
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