つぼみが膨らむApple TV、進化するライバル--松村太郎のApple一気読み

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 2月24日~3月2日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。

 2月に開催された世界最大のモバイルの祭典、Mobile World Congressが終わり、またしばらくのニュースが少ないシーズンに入った。Appleは定期株主総会を開催し、新たな数字や方向性が明らかになる場面もあるかもしれない。またテクノロジ関連のイベントが少ないシーズンでは、Appleが関係している他の分野の展示会やイベントで、インパクトある発表をすることがある。

 今号の紹介からは外れているが、ジュネーブモーターショーを前に、AppleはiOS in the Car改め、CarPlayを発表し、世界中の主要自動車メーカーとの連携を発表している。これについては次週、詳しく紹介する。

 それでは、先週のニュースを見ていこう。

つぼみが膨らむApple TV

 「趣味の製品」と位置づけられてきたApple TV。iOSやMacの画面やコンテンツをWi-Fiを通じて表示できるAirPlay機能が使われるようになり、会議室の薄型テレビに設置されるなど家庭以外での利用も広がりを見せている。

 そんな中、Appleの年次株主総会では、Apple TV関連の売上高が2013年に10億ドルを超えたと、CEOのTim Cook氏が紹介した。10億ドルという数字には、Apple TV本体の売り上げに加え、Apple TVを介して販売した映画やテレビ番組などのコンテンツ販売も含んでいる。

 2月はじめの報道で、4月頃にApple TVをアップグレードすると報じられているが、これまでの映画やテレビ番組の購入・レンタルに加えて、ゲームなどの新しいコンテンツを追加するのではないかと見られている。

 また2012年よりAppleがテレビをリリースするとの噂が流れていた。しかし、米国で暮らしている限り、500ドル以下という低価格で大型フルHDのテレビが購入できる点、ケーブルテレビを契約しなければソチオリンピックなどのスポーツイベントが見られないという米国の放送業界の現状を見る限り、そう簡単にAppleがテレビ事業そのものに手を出さないのではないかと考える。一方で、インターネットを介した放送の再編をどのように実現するかに、注目しておきたい。

100円でレンタルできる「今週の映画」--iTunesでスタート(2/26)
「Apple TV」関連売上高、2013年は10億ドル超に--クックCEO、アップル年次株主総会で明かす(3/1)

進化するライバル

 Appleは、先進的なデザインとソフトウェアをアピールし、現在も特に米国や日本を中心に、スマートフォン・タブレット市場を牽引している。しかしスマートフォンやタブレットの市場全体を見渡せば、Android陣営が世界的なシェアを大きく占めるようになっている。

 ただこれらのモバイルデバイスのトレンドや評価の尺度をAppleが設定し、他者がそれに追いつき上回る、というサイクルが2007年以降ずっと続いているように感じる。同時に、これらのデバイス販売から得られる利益の大部分をAppleが占めている点も、ビジネスの健全性を考える上で見逃せないポイントと言えるだろう。

 市場の成熟は進んでおり、Appleが2013年にiPhone 5sやiPad Air、iPad mini Retinaディスプレイモデルに搭載した64ビットのプロセッサ「A7」とモーションコプロセッサ「M7」に対抗するプロセッサをIntelがリリースしている。また、Samsungがフラッグシップモデルとして披露したGALAXY S5は、4Kビデオ撮影が可能な1600万画素カメラや 防滴防じん、5インチを超えるディスプレイなど、AppleのiPhone 5Sの性能を上回っていた。

 しかしSamsungの敵はハイエンド競争をする相手であるAppleから、価格競争を挑んでいる中国系のメーカーになってしまっているようだ。AndroidのOSの充実や、そもそもスマートフォンの基本性能が向上したことから、ハイエンドのスマートフォンでなくても実用上快適なレベルに達しているデバイスは増えている。

 例えば、筆者の手元にある179ドルのSIMフリー端末、Moto Gもその1つ。性能としてはクアッドコアを搭載する4.5インチHDディスプレイを備え、ちょうど2012年にリリースされたGALAXY S3に近い性能だ。すぐにアップデートされたほぼオリジナルそのままの状態のAndroid 4.4 KitKatは非常に快適に動作するし、Twitter、Facebook、Evernoteといったよく使うアプリも快適そのものだ。

 スマートフォンやタブレットの性能のボトムアップが顕著で、低価格のデバイスでも満足できる環境が整ってくると、いくらハイエンドであることをアピールしても、価格が高ければ売れなくなってくる。もちろんAppleもこうしたトレンドの煽りは受けるが、その矢面に立っているのはやはり、Androidデバイスであり、成功してきたSamsungが直面する問題点と言える。

インテル、64ビット対応「Atom Z34XX」「Atom Z35XX」シリーズを発表(2/25)
サムスン「Galaxy S5」を「iPhone 5s」「G Pro 2」と比較(2/25)

セキュリティの懸念

 MacやiOSは安全だ、という神話は、ユーザーに知らされず放置されてきた問題で揺らいでいる。AppleはiOS 7.0.6のリリースに続いて、OS X 10.9.2をリリースし、SSL/TSLの脆弱性を埋めた。これは、Safariなどでセキュアな通信が傍受される可能性があるという問題であり、iOSでは過去のバージョンであるiOS 6でも問題を修正している。

 同時に、Macでも音声のみの通話であるFaceTimeオーディオに対応している。

アップル、「OS X 10.9.2」をリリース--SSL/TSLの脆弱性などに対応(2/26)
「iOS」に新たな脆弱性か--画面入力が外部に漏れる可能性(2/26)

その他

他人を不快にさせるガジェット利用--公共の場で思わずやってる「あんなこと」や「こんなこと」(2/26)
アップル、電子書籍めぐる独禁法違反訴訟で控訴(2/27)
「無料」ゲームのアプリ内課金、欧州委がアップルやグーグルらと協議(2/28)
アップルの70〜80年代広告を振り返る--「Apple I」やゲイツ氏登場の「Mac」など(3/1)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加