スカパー!がオールジャパンで挑む放送コンテンツの海外進出--高田社長に聞く

加納恵 (編集部) 栗栖誠紀(人物撮影)2014年03月07日 10時46分
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 2月にインドネシアにおける専門チャンネル「WAKUWAKU JAPAN」を立ち上げたスカパーJSAT。現地の人に楽しんでもらえる編成を目指した放送コンテンツは、2013年の大ヒットドラマ「あまちゃん」からJリーグまで、日本のエンターテインメント最前線とも言えるラインアップだ。

 日本の放送局や番組事業者が何度も挑みながら、本格普及に至らなかった放送コンテンツの“輸出”を、「オールジャパンで実現する」と意気込むスカパーJSATの代表取締役 執行役員社長である高田真治氏に、スカパー!の海外展開や、日本における完全デジタル化以降の取り組みについて聞いた。


スカパーJSATの代表取締役 執行役員社長である高田真治氏

海外に放送コンテンツを輸出するための新しい仕組み

--2月22日にインドネシアで専門チャンネル「WAKUWAKU JAPAN」が開局されました。どういった形態で運営されていくのでしょう。

 インドネシアの衛星放送サービス「INDOVISION(インドビジョン)」と「OKEVISION(オーケービジョン)」を介して、24時間編成の日本専門チャンネルを視聴者にお届けしています。日本においては「スカパー!」という衛星放送プラットフォーム事業者の立場ですが、インドネシアではチャンネルを提供する一放送事業者になります。

--新たなビジネス展開になると思いますが、開局のきっかけは。

 2011年度に日本のテレビ放送が完全にデジタル化した後、放送業界がどう生き残り、成長していくかが次の大きなテーマになっていました。日本市場だけを見ると、広告、有料放送収入と合わせて、厳しい局面にあることは事実です。その中でコンテンツホルダーの方も含めて放送業界をどうしていくべきか、と考えた時に海外の事業は間違いなく発展させなくてはならないと感じました。

 日本には良質な番組コンテンツが豊富にありますし、海外で受け入れられる自信もあります。しかし、今まで何度も海外展開に取り組んできたにもかかわらず、ビジネスとしては広がらなかった。つまり別の仕組みが必要なんだろうと考えました。

  • 1月に開催された「WAKUWAKU JAPAN」開局記者会見には、コンテンツホルダのほか総務省、経済産業省らが出席した

 海外における放送コンテンツは番組単位もしくは期間限定など、単発で展開していることが多かったのですが、それでは現地の人になかなか浸透しない。番組単位のヒットは出ても恒常的に日本のコンテンツを送り込むことは難しい状況にありました。

 そこで、チャンネル単位でビジネスをするべきだと考えたのです。ただスカパー!はプラットフォームビジネスが主軸で、番組制作能力は高くありません。24時間、365日放送できるだけのコンテンツをそろえるべく、NHKや民放キー局、地方局などにお声がけをして、オールジャパンで取り組む態勢を検討しました。

 海外と日本では番組の放送時間や話数など、異なる部分が多々あります。番組単位で海外に進出してもそうした各国の編成方針に合わず、現地の放送を拡大していくことができなかったわけです。ならば、24時間まるまる日本のコンテンツを流せるチャンネルを用意することで、日本のコンテンツを恒常的に視聴できる場を作ろうと考えたのです。

--開局の場所にインドネシアを選んだ理由は。

 東南アジアでは、有料多チャンネル放送が行き届いていない地域が多く、今後に向けて旺盛なニーズがあります。その中でもインドネシアは非常に有望な市場で、最大手のメディアグループPT Global Mediacom tbk.傘下の衛星放送運営会社MNC Sky Visionグループの2つの多チャンネルプラットフォームでスタートしました。そうした市場環境から、日本のコンテンツが受け入れられる余地があり、1チャンネルのみならず複数の専門チャンネルの形で、必ず成長できると思っています。インドネシアからスタートしましたが、その後はミャンマー、シンガポールなどに拡大していく予定です。

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