ヤフーは2月28日、韓国のスマートフォンアプリ開発会社Buzzpiaと業務提携したことを発表した。韓国で人気のAndroid端末向けホームアプリ「Buzz Launcher(バズランチャー)」を、同日より国内向けに「buzzHOME(バズホーム)」として提供する。
“スマホファースト”をスローガンに、さまざまなアプリやサービスを公開してきたヤフーだが、ユーザーに提供するサービスの価値を10倍にするという“×10倍”のスローガンを掲げた2014年も、その勢いは続きそうだ。加えて、この連携にはヤフーが具現化したい創業当時からの“DNA”を垣間見ることができる。
両社の提携の狙いとホームアプリbuzzHOMEについて、ヤフー 執行役員CMO スマートデバイス戦略室長の村上臣氏と、韓国Buzzpia CEOのJay Seo氏に聞いた。
Seo氏 : Buzzpiaは、サムスン、LG、ファーウェイ、シャープなどのAndroidスマートフォンにおいてホームアプリの開発に携わってきたメンバーが中心となって、2012年に創業した企業です。
Google Playには数多くのホームアプリが公開されていますが、私たちが2013年に公開したBuzz Launcherにしかない大きな特徴は、ホーム画面を構成するアプリアイコンやウィジェット、壁紙などをパッケージした“ホームパック(着せ替えテーマ)”です。ユーザーは、自分でカスタマイズしたホーム画面をそのままホームパックとして他のユーザーとシェアすることができます。また30万以上のホームパックの中から自分好みのホーム画面を無料でダウンロードして簡単に着せ替えることができます。
すでに韓国のGoogle Playでトップアプリに選ばれており、日本国内向けの展開において日本のインターネット企業最大手と連携することで、マーケティングを進めていきたいと考えています。
村上氏 : ヤフーはBuzzpiaのプロモーションパートナーとして、buzzHOMEオリジナルのホームパックをユーザーに提供していくほか、「Yahoo!JAPAN」のさまざまなチャネルを通じてユーザーにアプリのダウンロードを訴求していきます。Yahoo!JAPAN上にホームパックを紹介する特設サイトを開設し、人気キャラクタや企業とコラボレーションしたホームパックも提供していきます。
村上氏 : ヤフーの技術力をもってすれば、ホームアプリを自社で開発することは可能です。しかし、今回連携という形をとったのは、Buzz Launcherの完成度の高さに注目したからです。特に“ホームパック”という他にはない独自性に注目しており、使いやすさやデザインにこだわった多彩なホーム画面をヤフーが考案して公開することで、ユーザーへのリーチを拡大できるのではないかと考えています。Buzz Launcherの完成度と私たちのノウハウを融合させて、魅力的なホームパックをリリースしていきたいですね。
私たちが現在最も力を入れていることのひとつは、スマートフォンにおけるユーザーリーチの獲得です。ユーザーリーチの起点と言えば“検索”が挙げられますが、日本国内ではYahoo!JAPANとGoogleがシェアを競い合っています。GoogleはOSレベルでスマホユーザーへのリーチを押さえていますが、私たちはOSのすぐ上のレイヤーにあるホーム画面を提供することで、ユーザーリーチを拡大していければと考えています。
Seo氏 :Buzz Launcherの開発コンセプトは、スマホ初心者が簡単に自分好みのホーム画面にカスタマイズできるようにしようというものでした。
一般的にホーム画面をカスタマイズしようとすると、壁紙、ウィジェット、アイコン、全体のデザインなどのアイテムをバラバラにダウンロードして組み合わせるといったプロセスが必要で、とにかくわかりにくいものでした。Buzz Launcherでは、カスタマイズが得意なユーザーが投稿したホームパックの中から、気に入ったものにワンタッチで着せ替えでき、面倒な作業は必要ありません。
ホーム画面に配置されているアプリの中でまだインストールしていないものがあれば、アイコンをタップするだけですぐにダウンロードすることもできます。スマホを購入したばかりでどんなアプリを使ったらいいかわからないという初心者にこそ、活用してもらいたいと考えています。
韓国市場におけるスマホシェアの90%以上がAndroidですが、そのホーム画面は決して使いやすいとは言えませんでした。そこで、使いやすくカスタマイズしたユーザーのホーム画面のデザインをそのままダウンロードして、自分のスマホへ適用できるようにしました。このコンセプトは多くのユーザーから支持され、すでに500万ダウンロードを超えています。
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