スペイン、バルセロナ発--Qualcommは、バルセロナで開催中のMobile World Congressで現地時間2月24日、ハイエンドモバイル端末向けの新プロセッサ2種を発表した。4コアの「Snapdragon 610」と8コアの「Snapdragon 615」だ。両プロセッサとも、同社の第3世代4G LTEモデムと、HSPA+やCDMAなどの3G技術を搭載するほか、現在市場で最速のWi-Fi規格802.11acに準拠している。
Qualcommはそのほか、「Snapdragon 801」プロセッサも発表した。これは同社が2013年に発売した最上位チップ「Snapdragon 800」シリーズの最新製品だ。Snapdragon 801では、CPU、GPU、デジタルシグナルプロセッサ、カメラセンサ、メモリといったコンポーネントの性能を高める一方、ソフトウェアその他の機能では同社の既存プロセッサとの互換性を維持し、ハンドセットメーカーが迅速な開発を行えるようにした。Snapdragon 801は、画像処理の向上、モバイルグラフィックスおよびゲーム性能の向上、SDメモリカードの速度向上を実現するほか、中国のデュアルSIMサービス対応ハードウェアをサポートする。
Qualcommによると、Snapdragon 801を搭載したデバイスは、2014年第1四半期中に出荷されるという。
さらにQualcommは、自動車業界向けの新たなワイヤレスチップも発表した。「Gobi 9x30」というセルラーモデムで、20ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の回路を採用している。これによって自動車メーカーは、高度なテレマティクス機能やインフォテインメント機能を自社の車に搭載できるようになる。Gobi 9x30は、下り最大300Mbpsの伝送速度を実現するLTE-Advancedのカテゴリ6をサポートしているため、車内でブロードバンドに接続して高度なナビゲーションシステムやWi-Fiホットスポットを利用したり、インフォテインメントのコンテンツを視聴したりすることが可能だ。
一方、冒頭に挙げたSnapdragon 610と615は、「Snapdragon 410」と本質的に同じソフトウェア、ハードウェア、および無線周波数技術を採用しているため、ハンドセットメーカーは、世界中に展開するさまざまな価格帯の製品群を迅速に開発できる。また、これらのプロセッサを搭載した端末は、従来と同じ無線技術を使用するため、通信事業者から認証を得るのに要する期間も短縮できる。
ただし、Snapdragon 610と615を搭載したデバイスがすぐに登場することはなさそうだ。Qualcommによると、同社がサンプル製品をハンドセットメーカーに送付開始するのは2014年第3四半期で、デバイスが市場に登場するのは同第4四半期になるという。同社はまた、両プロセッサのリファレンスデザイン版を作成し、ハンドセットメーカーがデバイスを迅速に開発できるようにする計画だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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