パナソニック システムネットワークスは2月24日、法人向けの頑丈タブレット「TOUGHPAD(タフパッド)」シリーズとして、5型 HD(1280×720)液晶とLTE/3G回線での音声通話機能を搭載した製品を発表した。市場想定価格は13万程度を見込む。
Windows Embedded 8 Handheldを搭載した「FZ-E1」を6月中旬に、Android 4.2.2を搭載した「FZ-X1」を8月下旬に発売する。まずは国内法人向けに販売し、順次海外にも展開してく方針だ。
耐落下、衝撃性能を持ち、米国国防総省の性能試験であるMIL-STD-810Gに対応した。また、独自に3メートルの高さからの落下試験を実施しクリアしている。IP65/IP68に準拠し、防塵、防滴/防水性能も備える。6200mAhの高容量バッテリを搭載し、連続駆動約14時間と、連続待受約1000時間を実現したほか、1時間で約50%充電する急速充電機能と、電源を切らずにバッテリパック交換できるホットスワップ機能を搭載した。
また、LTE/3G回線での音声通話に対応し、緊急時などに音声での業務連絡も可能にする。ただし、日本の対応キャリアは未定。CPUはQualcomm製高性能クアッドコアCPU搭載で、重さは約430g。サイズは高さ165mm×幅87mm×厚さ31mm。
手袋を装着したままでも的確に画面を操作できる「高感度近接検知タッチパネル」と、画面に雨や水滴が付着しても誤動作しない、パナソニック独自開発の「水滴誤動作防止機能」を搭載。さらに、ヒーターを内蔵し、マイナス20度の低温環境から60度の高温環境にまで対応する。
パナソニックは、これまで個人向けスマートフォン「ELUGA(エルーガ)」をリリースしていたが、2013年秋冬モデルを最後に新たな製品投入は中止している。
このTOUGHPADの開発は、大半がELUGAに携わっていたメンバーで構成されており、技術リソースもコンシューマで培ったものが引き継がれていると話す。
今回の製品は、マイクロソフトと協業して機能をカスタマイズできるWindows 8をベースにしたWindows Embedded 8 Handheldを採用している。日本ではパナソニックが初のパートナーで、全世界では5社目という。
スマートフォンではなくTOUGHPADシリーズの延長線上の商品と位置付けることで、さまざまな業界のニーズと連携できると説明する。日本マイクロソフト 代表執行役 社長の樋口泰行氏も登壇し、グローバルでの展開について「拡販に尽力することをコミットさせていただく」と語った。
パナソニック AVCネットワークス 社長の宮部義幸氏は、「モバイルコミュニケーションは成熟期に入ったと判断した。私たちの持つ技術力やマーケティング力、PCの事業と業務用端末の事業、モバイルコミュニケーションの事業を、高い要求スペックを求める専用の業務用端末にフォーカスすることにした。規模を追うものではなく、要望に応えていくもの。従来と違った形でお客様の期待に添っていけるのではないか」と説明した。
これまで、TOUGHPADやTOUGHBOOKは、電気、ガス、水道、公共事業を中心に採用されてきたという。今回は、運輸、物流、小売、製造など幅広い業界でも、「過酷な環境下で業務にICTを活用されるお客様」をサポートしていくとしている。2016年までにグローバルで累計100万台の販売を目指す。
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