パナソニックは2月18日、新たなブランドイメージ戦略を説明した。
同社は2013年秋から、創業100周年にあたる2018年に向けたグループ全体が目指す姿として「A Better Life, A Better World」というブランドスローガンを打ち出している。2013年からはブランド体系を変更。コーポレートブランドの「Panasonic」のもとに配置していたサブブランドを廃止し、3つの“ネーム”に集約している。1月以降は、新たなキャッチフレーズとして「Wonders! by Panasonic」を積極的に発信している。
パナソニック 役員 ブランドコミュニケーション本部 本部長 竹安聡氏は「2期連続で厳しい経営数字を計上し、構造改革を推進している中で社内の閉塞感を打ち破っていくために、変革を牽引するキーワードがWonders!。社内を活性化して、事業再生を図っていく」とその狙いを説明した。
「複数形にしているのは、Wonders!製品、Wonders!サービス、Wonders!ショップというようにさまざまな形でWonders!を感じてもらえる事業活動を進めたいという狙いから」という。社内ではすでにクラウドサービスによる「Wonder Cloud Project」を開始していることも明らかにした。
Wonders! by Panasonicは、2013年秋にドイツで開催された「IFA 2013」、10月に日本で開催した「CEATEC JAPAN 2013」のパナソニックブースで使用。2013年11月には、JRの山手線や大阪環状線で車両ジャック型の広告を展開。2014年1月以降は、国内で1月1日付けの主要新聞に広告を掲示。テレビCMなどでも、この言葉を積極的に活用し始めている。
「正式なスタートは1月1日。まずは売上高の半分を占める日本国内から取り組んでいくものになる」とし、「12月31日午後11時30分から30分間、主要放送局でティザー広告を流し、1月1日から新たな広告を開始。これをWonders!第1弾とした。第2弾からは、具体的なテーマとしてWonders!を語りたいと考えており、2月8日から五輪をテーマにしたCMを流している」
第2弾のCMでは、2月にトップスポンサー契約を東京五輪を含む2024年まで延長したことに触れ、長年にわたって五輪の感動をパナソニックの映像機器などを活用して全世界な発信してきたことを紹介している。
「今回の契約から、AV機器やデジカルカメラのほか、北米と南米を除いたユーラシア大陸、アフリカ地域を対象に白物家電もスポンサーとなった。東京五輪では日本全体のWonders!としたい。トップスポンサーとなることで技術を高めてきた。事業を磨いていくための研ぎ石のようなものだ」とその意味を説明した。「2月に社内に東京五輪推進本部を設置し、新規事業や製品を検討する部門も配置した。五輪を研ぎ石にした事業や製品をつくることになる」
会見では、約1カ月半にわたるWonders!活動に対する評価についても言及した。活動認知率は全国で51.2%になったという。東京圏では46.2%とやや低いが、名古屋圏では50.9%と過半数を突破。大阪圏では53.1%、そのほかのエリアでは54.9%の活動認知率となっている。
この活動によるブランドイメージの変化についても説明。広告接触者と非接触者とを比較した場合、「会社の姿勢に共感できる」との回答が14.0%増、「国や地域に貢献している」が11.0%増、「革新的な商品。サービスを提供している」が9.7%増、「快適さを感じる」が9.5%増といった結果が出ている。
竹安氏は「Wonders!は、社内の論理ではなく顧客視点をさまざまな経営プロセスに加えること、上意下達ではなく、やりたい人を起点に自然発生的に、あるいは草の根的に取り組みの輪を広げること、スペックではなく、顧客が驚きや感動を感じるコトを語ることをアプローチの基本姿勢にしている」と説明した。
「Wonders!による、VI(ビジュアルアイデンティティ)とBI(ビヘイビアアイデンティティ)を通じて、事業活動の変革を牽引し、CI(コーポレートアイデンティティ)へとつなげていく。今後も、成果と課題を捉えながら、活動を積極化させたい」
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