メディアの運営体制について、GR BLOGでは10人ほどが執筆者として関わっているが、すべて社内のボランティアだという。
「サーバ代など、運営費は微々たるもの。休み時間など、本業に影響がでない範囲で更新している」(野口氏)
できる範囲の中で運営していくことが大切だと野口氏は語り、撮影会やユーザーインタビューなど、オンラインだけではなくリアルなイベントも重視し、GRを通じたユーザーコミュニティを醸成することが大切だという。
六人部氏は、コンテンツの質を重視するために外部から編集者を採用し、編集者と一緒にライターとのやりとりを通じて日々運営しているという。
「コンテンツの種類を、ブランド視点やデザイナー視点などある程度マニュアル化し、誰でも運営できる体制を作っている」(六人部氏)
エンジニアtypeは2名の社内編集部のみで、あとは外部のライターや編集者とともにコンテンツを更新していると伊藤氏は語る。
「コンテンツ制作の予算をもとに、自社から予め予算を計上しているが、メディアとして中長期的な視点で見た時に、ビジネスとして独立運営できるものにしなければいけないと考えている。コンテンツのために予算以上の費用が必要ならば、広告やイベントなどを実施して自分たちで稼ぐことが大事」(伊藤氏)
本業とのシナジーに関して、エンジニアtypeではそれまでは転職サイトへの流入や応募数などをもとに計算していたが、過去2年間の経験をもとに、UUを絶対的な指標にすることが、一番シンプルな指標になったと伊藤氏は語る。
「UUを目標にすることで、広告換算もしやすい。2年以内に黒字化すると目標に掲げ、現在はそれを達成している」(伊藤氏)
六人部氏は、ECサイトへの遷移と同時に、ユーザーとの関係構築やユーザー認知、ブランドとの関係構築ことが重要な指標だという。
「これまでバイヤー営業でも難しかったブランドが、メディアを運営したことで記事掲載やECの出品といった流れができた。認知獲得やブランドとの関係構築のためにはどれだけ認知が広まったかが大事。PVではなくUUを指標にすれば、認知率とECサイトへの遷移やECの購入率から、広告効果も分析しやすくなる」(六人部氏)
野口氏は、PVやトラックバックなどの数字を分析はしているが、数字に一喜一憂してはいけないと語り、メーカーとしての志を大事にしてユーザーとの関係構築をすることが大切だという。
「いい写真文化を作るという当初のコンセプトをしっかりと持つこと。メンバーには、運営するのが苦痛ならやめようと言っているが、ここまで続けてこられている。それだけ、ユーザーとの関係が作れている証拠。ブログユーザーすら大切にできないなら、カメラユーザー数百万人を大切にできるはずがない。メーカーとしての志があるからこそ、ユーザー視点を持って続けることができる」(野口氏)
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