Microsoftが「Windows XP」で目にしてきたように、アップグレードが敬遠される理由には、ユーザー側のOSに対する依存だけでなく、ブラウザに対する依存もある。
「Internet Explorer 6」(IE6)がWindows XPに組み込み搭載されているブラウザとなっている(そして多くの企業顧客はそれを前提にしている)のと同様に、IE8は、多くの企業顧客によって受け入れられている、より新しいバージョンのWindowsである「Windows 7」に組み込み搭載されているブラウザである。Windows XPの場合と同様に、多くの企業は基幹業務アプリをWindows 7とIE8の組み合わせに特化して開発し、自社の公式アプリとして利用している。
ただし、問題がある。MicrosoftがIEをWindowsの一部として扱っていたとしても、IEは独立したソフトウェアであることに変わりはない。Microsoftは既にWindows 7上で稼働する新しいIEを複数リリースしてきている(IE9、IE10、そして最新版はIE11)。しかし企業がWindows 7とIE8に基づいた標準化を実施しているせいもあり、すべての企業がこういった新しいIEに移行することに前向き、あるいは移行できるというわけではない。
このような状況は、Microsoftが古いIEをサポートしない新ソフトウェアや新サービスを展開するなかで、Microsoftとその顧客にとって特に問題となってくる。例を挙げると、「Office 2013」や「Office 365」はIE8をサポートしていない。IE8を使い続けている企業の場合、Office 365においてIE8がサポートされなければ、管理者が同サービスへの移行をためらうことも十分に考えられる。
しかし、こうした葛藤を解決するソリューションをMicrosoftが提供するかもしれない。複数の情報筋は、それが「EMIE」と呼ばれるIEの機能であると語っている。
Microsoft社内で「Enterprise Mode for IE」(EMIE)と呼ばれているこの機能は、IE11の新しい特長になるはずだという。筆者の複数の情報筋によると、EMIEを使うことで企業は、IE8互換モードを用いてロードするサイトと、そうしたモードを必要としないサイトを設定できるようになる。この新たな互換モード機能のおかげで、特定のイントラネットサイトの閲覧や社内アプリの実行にIE8を必要とするユーザーであっても、Windows 7(またはWindows 8.x)上で動作するIE11に移行できるようになる。しかも、それ以外の目的でブラウザを使用する際には、IE11の残りすべての機能を利用できるようにもなる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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