エンジニアに必要な基礎知識をたった1冊の本で身につけることは、到底できることではない。しかし、エンジニアリング(工学)とはどのような概念や常識に基づいて成り立つものなのかを端的に表すことによって、エンジニアリングへの理解を深める助けをしようというのが本書だ。
見開きの右ページに鍵となるアイデアとその解説を示し、左ページにはイラストを用いることで、ページを開いた瞬間に、何が言いたいのかが目に飛び込んでくる巧みな構成だ。エンジニアにとって、数学、物理、化学などの深い理解はもちろん重要なことであろうが、そもそも何のためのエンジニアリングなのかという根本的な部分を理解することは、さらに重要なことなのだ。エンジニアにとっては「そんなこと知っている」と思うこともあるかもしれないが、基本的なことに気づかせてくれるアイデアもあるだろう。
また、本書はエンジニアリングには関係ないように思われる一般の人にとっても、大変に面白い本である。本書を通読することで、あまりにも当たり前に日常に存在するようになっているために、まったく気づかなかった事象に気づかされる。新たな視点を求める人にも役立つ1冊。
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