いつも同じ場所から同じ角度で見ていた絵を、ほんの少し違う角度から見ただけで、まったく別の絵かと思うほど、様子が変わることに気づいたことはないだろうか。思考も同じこと。いつも同じ組み合わせ、同じやり方で考えていたら、見慣れたものしか生み出されない。突飛な考えにたどり着いたり、驚くような発見をしたりするには、「いつものやり方」とは違う発想方法が必要だ。
しかしながら、「いつもの自分」だけでは、滅多に違うやり方を思い付くことはできない。だからこそ、本書が助けになる。まずは目次を眺めてみると分かるが、膨大な数の発想法が提示されている。事例と解説を読んで知識を得るだけではなく、「やってみよう!」というコーナーで実践することもできる。まるで、ワーク中心のセミナーに参加している気分になる。
本書では、いつもとは違う自分になるための方法まで教えてくれる。人間は、行動することによって、動作に合わせて思考するようになるという実験結果を利用して、自分ではない誰かになったつもりで行動してみるのだ。これは、いつもの自分に新しい思考法を取り入れるよりも、実は簡単な方法かもしれない。こうした行動のヒントが得られるのも本書のような指南書の利点だ。新しいアイデアが浮かばずに、七転八倒しているような人には、特にお勧めだ。
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