次いでゲーム市場における変化についてだが、ここ数年最も勢いのあったソーシャルゲームの勢いが弱まり、「パズル&ドラゴンズ」のようなネイティブアプリゲームが主流になったといえよう。弊社が独自集計した、11月におけるGoogle Playの総売上高ランキングを見ても、ネイティブアプリゲームのタイトルがずらり並んでいる(図1再掲)。
また、ソーシャルゲームプラットフォームに依存する形ではなく、各社がそれぞれゲームアプリをリリースしているのも注目である。GREEやMobageに依存していた数年前とは明らかに状況が変わっている。
さらに、売上高ランキング上位に入っているタイトルが、大手ゲーム会社に占められているのも特徴的である(ここでもLINEが目立っているが)。今や大きな広告予算を背景に、大規模広告による販促を行って売上をあげる、といった動きが目立っており、かつてのようなネタ系やアイディア勝負で上位に食い込む、といった動きが少なくなっているのも、2013年になってより顕在化したといえよう。この動きは今後更に加速すると思われ、アプリマーケットは大手企業による戦いの場、といった成熟期を迎えたと感じられる。
最後に、iPhoneの動きについて述べてみたい。端末販売のトピックスとしては、何といっても9月に発売開始された「iPhone5s」「iPhone5c」が最もインパクトがあったといえよう。すなわち、従来のソフトバンクモバイル、KDDIのみならず、ついにドコモからも発売開始されたことが大きな話題となり、注目を集めることとなった。当初は端末の在庫不足などから、購入希望者がなかなか入手できないといった状況があったが、この状況もだいぶ解消されており、今では入手しやすくなっているようだ。
年末年始の繁忙期は、iPhoneへ買い換える動きがより活性化すると推測され、iPhoneユーザーが大きく増大するのではないか、と考えられる。さらに2014年3月の新生活準備シーズン需要期を経た結果、いったいどのような端末保有状況になっているのか、今から注目である。初夏にはドコモのツートップ戦略にて大きな注目を集めたものの、現在はやや話題性に乏しい感のあるAndroid端末。「Xperia A」のような大ヒット機種を再び出現させることができるのか、新たにリリースされる新OS「TIZEN」はどの程度の話題と人気を集めるのか、などといった点も見逃せない。
そして、iPhoneユーザーの広がりによって、コンテンツビジネスにどのような影響を与えるのかという点も注目である。iPhoneにおいては、アプリ中心のコンテンツ利用傾向であること、キャリアマーケットにアクセスしにくいため、有料Webサービスを利用しにくい面があること、音楽コンテンツはiTunesが主流であることなど、従来のモバイルコンテンツ利用とは異なる点がかなり多い。iPhoneユーザーの増加、コンテンツ利用傾向の違いといった要素が、2014年のコンテンツ市場に対してどのような影響を与えるのか、要注目である。
2013年には、上記以外にも、ビッグデータやウェアラブル、ネット選挙、O2Oなど、その時々に注目を集めたもの、今後の展開を期待させるものなど、さまざまなキーワードがあった。2014年においても様々なキーワードが出現すると思われるが、市場全体の動きとしては、あまり一極集中、大手のみの寡占状態になりすぎず、アイデア勝負が十分できるような、新興勢力の台頭を強く期待させる市場であって欲しいと願うところである。そして、状況を一変させるような新たなビジネスモデルの出現がそろそろあるのでは、と期待しつつ、2014年を迎えたい。
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