ドコモ・ドットコムによる、モバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の最新号(Vol.8)より、スマートフォン購入状況調査の一部をお届けする。
今や携帯電話はほとんどの人が所有する時代となった。かつては高齢者、すなわちシニア層にとっては使い方が良く分からない機器という印象もあったが、携帯電話の普及から年月が経ち、シニア層も使い慣れてきたこと、使い慣れたユーザーが年齢を重ねシニア層になったこと、さらにシニア層にも使いやすい「らくらく」シリーズが出現したことなどもあって、今ではアクティブシニア層と呼ばれる、携帯電話を使いこなすユーザーまで出現している状況だ。
今後高齢化社会を迎えるにあたり、このシニア層に対してモバイルビジネス展開を検討する企業も多いと思われる。但しその際には、その利用傾向、ニーズを把握することが重要となる。そこで今回は、スマートフォンを利用している60歳~69歳の男女に対し、その利用実態を明らかにすべく調査を実施した。以下、主な傾向を分析してみたい。
まず、スマートフォンにおいて利用している機能について見てみると、メールの送受信、ウェブサイトの利用・閲覧、無料通話サービスといった回答が目立っており、メールや通話といった基本機能に加え、多くのユーザーがウェブサイトを閲覧している状況は注目である。
次いで、計算機や目覚まし、カレンダー・スケジュールなどといった生活に密着した機能が挙げられており、フィーチャーフォン時代から搭載されているようなプリインストール機能を引き続き利用している状況がうかがえる。一方でゲームや動画、音楽プレーヤーといったエンタメ系機能や、ショッピングやオークションといったEC関連の利用はそれ程多くない結果となっている(図1)。
比較対象として、パソコン上でよく使う機能についての回答も見てみると、スマートフォンとは大きく傾向が異なり、最も利用されているのはインターネットショッピングであった。男女共に7割以上のユーザーが利用していると回答しており、このことから利用目的によってスマートフォンとパソコンを使い分けている傾向が顕著となった。また、インターネットショッピングほどではないが、インターネットオークションでも同様の傾向が出現している(図2)。
そこで、デバイスを問わず、インターネットショッピングにてどのようなものを購入しているか見てみると、半数以上に購入経験があったのが「食料品」「書籍」「家電」「衣料品」だった。さらに男性では「パソコン/周辺機器」「CD/DVD」「カメラ/周辺用品」が、女性では「健康食品」「化粧品/コスメ」「キッチン用品」といった回答が多い。
本調査がパソコンを使ったアンケート調査となっているため、その利用傾向が高く出現しやすくなっている点を考慮しても、シニア層におけるパソコンからのインターネットショッピング利用は頻度が高そうである。今後スマートフォンの利用に慣れ、画像の大きさや入力のしやすさなどといったユーザビリティの改善が整えば、スマートフォンでのショッピング利用も高まる可能性があると推測される(図3)。
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