ドコモ・ドットコムが実施している定点調査より、2013年6月と7月におけるスマートフォン端末購入状況を見ると、6月においては、夏モデルの新機種を投入したドコモが約48%のシェアを獲得し、その勢いを感じさせる月となった。
年代別で見ても10代を除く各年代で約50%のシェアをドコモが獲得しており、年代を問わず幅広い層で購入されていたことがわかる。しかし7月に入ると、au、ソフトバンクモバイルが投入したAndroidの新機種が販売数を伸ばし、ドコモとの差を急速に縮めている(図1)。
6、7月の人気機種の内訳を見ると、5月において「iPhone5」に迫る販売数を記録したドコモの「Xperia A」がついにiPhone 5を上回り、6、7月共に首位となった。iPhone 5の発売以降、iPhone 5の販売数を上回った端末は今回のXperia Aが初めてであり、その人気がいかに高かったかがわかる。ドコモのツートップ戦略により、「Galaxy S4」と共に広告宣伝で前面に押し出されたが、Galaxy S4と比べて価格が安いこと、防水等の機能が充実していたことなどが、ユーザーの支持を集める結果になったようだ。
また7月においては、au、ソフトバンクモバイルが市場に投入したAndroidの新機種に伸びが見られ、その分Xperia Aを始めとするドコモの夏モデル機種はシェアをやや落としている。
au、ソフトバンクモバイルのAndroid端末で最も高いシェアを獲得したのは、それぞれ「SHL22(AQUOSPHONE SERIE)」「206SH(AQUOSPHONE Xx)」といずれもシャープ製の端末である。「IGZO」液晶ディスプレイに代表される、省電力で電池のもちが長いという特長が多くのユーザーから支持を集めたのではないかと推測される(図2)。
では、この6、7月の購入状況をOSという観点で見てみるとどうであったのか。前述したとおり、各キャリアからAndroidの新機種が相次いで投入された結果、6、7月はAndroidのシェアが6割以上を占める結果となった。特にドコモのシェアが大きかった6月においては、Androidが7割近くを占めている。
次にOS別購入数を年代別で見ると、20代以上ではAndroidがそれぞれ6割を超えるシェアを獲得しているが、10代だけはiOSがAndroidを上回り、約50%のシェアを獲得している。他の年代と比較して、学生を中心とした10代には「iPhone」ブランドが特に浸透している様子がうかがえるが、周りの友人が持っているといった仲間意識や友人同士の口コミの他、端末代金実質負担金0円、月額使用料が安いなどといった金額面での訴求が効果を挙げていると想定され、可処分所得の少ない10代のユーザーにリーチしているようである(図3)。
6、7月の購入状況においては、Androidが優勢という結果となったが、ドコモを含んだ全キャリアから発売される「iPhone」新機種は、9月の端末購入状況に大きなインパクトを与えると予想される。次号では、大きな変化が出現するであろう9月の端末購入状況を中心にお伝えする。
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