2013年もいよいよ終わりに近づいた。この1年を振り返ってみると、移り変わりの早いモバイル業界らしく、さまざまな動きが見られたように感じる。その中でも、ドコモ・ドットコム的には以下の点がより目立った動きに感じられた。
1.LINEの爆発的な普及とその影響によるモバイル利用の変化上記の点について、以下見解を述べてみたいと思う。まずLINEについてだが、2012年においても既に爆発的に普及していたものの、LINE関連のゲームなどは更に利用の広がりを見せており、LINEブランド全体としてとどまるところを知らない様相を見せている。
弊社がGoogle Playのランキングを独自集計している内容を基に、Google Playにおける売上傾向を見てみると、2013年11月の総売上高ランキングに入っているLINE関連アプリの数は、前年同月と比較して大きく増加していることがわかる(図1)。
当然ながらApp Storeでも大きな売上を上げていると推測され、2012年以上の勢いが感じられる。また次々と新タイトルをリリースしていることからも、今後しばらくはこの勢いが続き、大きな売上を記録しそうである。
これ以上に注目したいのは、LINEの影響によるメール機能利用の減少である。2013年12月に弊社が実施した、スマートフォン利用機能に関する調査結果を見ると、かつて弊社が独自調査した際に最も回答数の多かったキャリアメール利用が、3番手までその順位を下げていることがわかる(図2)。
内容をよく見ると、メールに関しては「キャリアメールの送受信」「無料通話サービス」「無料メール・チャットサービス」といった回答に分散化していると思われ、メッセージの送受信はいまやキャリアメール主流の時代ではなくなっていることがうかがえる。以前は、メールといえばキャリアメールであり、そこで絵文字やデコメールを利用するのが主流であったが、利用の減少に伴い、絵文字などの装飾メールコンテンツ市場も苦戦を強いられている模様である(図3、図4)。
一方で、LINEアプリの売上が高水準で安定していることからも、スタンプ利用頻度の高さがうかがえる。メッセージのやり取りにおける利用スタイルの大きな変化を感じずにはいられない。加えて、「きせかえツール」といったカスタマイズ系コンテンツや、音楽、占いなどといったジャンルもその利用機会が減少している模様である。
スマートフォンになり、無料でさまざまなコンテンツが入手可能になったこと、広告収益を軸とした無料サービスが多数登場したこと、PCサービスが利用できるなどといったマルチデバイス対応サービスが増加したことなどから、以前とは異なるコンテンツ利用傾向の変化が出現したと考えられる。コンテンツの利用に関しては、今後よりスマートフォンらしさが顕著になってくるだろう。
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