Microsoftの「Office」担当プレジデントKurt DelBene氏が同社を退職し、問題を抱える「HealthCare.gov」サイトの改良に向けて指揮を執ることになった。
Politicoが米国時間12月17日、このニュースを報じた。米保健福祉省はほどなくこの事実を認め、Microsoftも認めている。
Microsoftは7月、在籍20年のベテラン社員DelBene氏の退任を発表していた。同氏の退任は、Microsoftがデバイスとサービスにより注力した製品ラインに合わせて実施した組織再編を受けたものだ。DelBene氏は12月16日にMicrosoftを退職したと、同社の広報担当者が認めた。
保健福祉省のKathleen Sebelius長官は、17日のプレスリリースでDelBene氏の任命を発表した。以下は、リリース文の抜粋だ。
Kurt DelBene氏を当省の上級顧問、そしてJeff Zients氏の後任に任命する。Zients氏はわれわれチームと協力してHealthCare.govプロジェクトに関する管理面での助言や忠告を与える上で優れた手腕を発揮した。現在HealthCare.govサイトは、10月1日の開設直後の状態から、日夜サービスを提供する状態になっている。Zients氏の尽力とリーダーシップに対して心から感謝する。サイト運営を率いた同氏の役割は極めて重要であることが証明されており、われわれは本日、同氏の後継者としてKurt DelBene氏を発表する。
つい先日までMicrosoftのOffice部門でプレジデントを務めていたDelBene氏は、12月18日よりHealthCare.govの統括および管理を行う。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏がDelBene氏をOffice部門のプレジデントに任命したのは2011年のことだ。この動きについて、Ballmer氏がエンジニアリングに精通した人材を同社幹部陣に据える決断を下したことの表れとする見方が一部に出ていた。
米Obama政権によるHealthcare.govの取り組みは、10月の開設以来、さまざまな問題に悩まされている。フロントエンドの一部は、運用開始当初の数カ月の状態と比べて現在は改善されているものの、バックエンドは依然として混乱していることが、いくつかの証言から明らかになっている。
Sebelius長官の声明によると、DelBene氏は「少なくとも2014年前半」にわたり、Healthcare.govプロジェクトを監督することに合意したという。DelBene氏は経営に関する専門知識や業務監督のほか、保険登録窓口の追加、現場作業、マーケティング、コミュニケーションに関する助言を提供する予定だ。同氏は、メディケアメディケイドサービスセンター(CMS)のMarilyn Tavenner長官と共に勤務し、同プロジェクトの契約業者QSSIと連携して業務にあたる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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