Microsoftは、サービスとしてのコンパイラである「Roslyn」テクノロジを社内で試験運用しており、Roslynを使って「Visual Studio」の社内デイリービルドをコンパイルしている。
この最新情報は、Microsoftが米国時間12月16日付けのブログ記事で明らかにしたもので、同社がRoslynテクノロジに関する情報を公開するのは1年以上ぶりのことだ。
MicrosoftのRoslynとは、C#およびVisual Basic(VB)コンパイラを再設計し、「サービスとしてのコンパイラ」(CaaS)環境をサポートする取り組みだ。今のコンパイラはブラックボックス化されているが、MicrosoftはRoslynで、コンパイラ経由で処理されるすべての情報をAPIから利用できるよう、コンパイラの可視化に取り組んでいる。
Microsoftが12月16日付けのブログ記事「C# Frequently Asked Questions」(C#でよくある質問)に掲載したRoslynの最新情報によれば、Roslynは「当社のVBコンパイラとC#コンパイラ(およびそれらを利用する統合開発環境の一部)に取って代わるもの」だという。このテクノロジを利用すると、開発者は「コンパイラ自体の内部に入り込む」ことができるため、「これまでよりはるかに機能の豊富な統合開発環境と診断機能を、大幅に少ない労力とコストで開発できるようになる」とMicrosoftは説明している。
筆者は2011年に、Roslynが「Visual Studio 2012」の後継製品になると書いたことがある。だが、結局Roslynは「Visual Studio 2013」の後継製品でもあるということだ。
MicrosoftがRoslynのプレビュー版を最後に一般公開したのは、2012年9月のことだった。
Visual Studioマネージ言語開発マネージャーのMatt Gertz氏はブログで、「もちろん、その点についてはややきまりが悪い思いをしている。確かに、われわれはほとんど何も語らないでいた。だが、何もまずいことは起こっていなかったし、実際のところ、非常にうまくいっていったのだ」と述べている。
Roslynの新たなプレビュー版が間もなく登場するのかどうか、あるいは、2014年にリリースが予想されているVisual Studio 2013の更新版にRoslynのコードが含まれるかどうかについて、この日のブログ記事では触れられていない。筆者はMicrosoftの複数の幹部にコメントを求めているが、現時点では回答を得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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