タイのジャングルから北朝鮮まで--旅行業界のキーマンが手がけるツアー予約サイト「BeMyGuest」

 この連載では、シンガポール在住のライターが東南アジア域内で注目を集めるスタートアップ企業を現地で取材。企業の姿を通して、東南アジアにおけるIT市場の今を伝える。

  • 「BeMyGuest」

 今回紹介するのは、主にアジアの“ニッチ”なローカルツアーに特化した検索・予約サイト「BeMyGuest」だ。一般的な旅行代理店では取扱いが難しいツアープランが売りである。

タイのジャングル、北朝鮮を巡るツアーも

 「タイ・プーケットでのジャングルサバイバル、お一人様1日につき120シンガポールドル。国立公園にあるサバイバルコースでのハイキングやジャングルナイフを使ってのモノづくり、カヤック漕ぎを体験できます」

 「北朝鮮の歴史的建造物を巡る旅、お一人様9日間で3381シンガポールドル。1972年に建造された金日成と金正日の巨大なモニュメントなど、1981年に完成したスケートリンクなどを見物できる貴重な機会です」

 かつて、これほどまでにニッチなローカルツアーに参加したことがある人はそう多くないだろう。なぜなら、こうした観光スポットを知るのは地元の人に限られているし、たとえ地元の小規模な旅行代理店がこうしたツアーを組んでいたとしても、言語の違い、ウェブサイトの見た目や使いにくさから予約をするのは困難だったからだ。

  • タイ・プーケットでのジャングルサバイバル

  • 北朝鮮の歴史的建造物を巡る旅

 BeMyGuestは、主にアジアのローカルツアーに特化した検索・予約サイトである。前出のような地元の小規模な旅行代理店、そして一般人にツアープランを投稿できるコンテンツマネジメントシステムを提供することで、自分たちでは利便性の高い予約サイトを構築できないサプライヤによるプランを集めている。

 サプライヤは無料でプランを投稿することができ、旅行客からの予約が完了した時点でBeMyGuestへの15%以上のコミッション料が発生する。サプライヤはリスクを負わずにプランを売り込むことができるのだ。

旅行業界のキーマン揃いのチームが事業を加速

 実は、サプライヤにツアープランを投稿してもらい、旅行客に提供するサービスというものは、BeMyGuestが登場する以前からすでにアジアにいくつか存在していた。その中でもBeMyGuestが「東南アジアの市場でナンバーワン」(Founder 兼 Chief HostのClement Wong氏)である理由は、その強力なチームにある。2012年にスタートしたばかりのサービスではあるが、運営するメンバーはアジアの旅行業界のキーマン揃いだ。

  • BeMyGuest Founder 兼 Chief HostのClement Wong氏

 Clement氏はこれまでグローバルの旅行業界でマーケットリサーチ、戦略立案に携わってきた。各国で行われる業界内のアワードイベントなどでは審査員に名を連ねるほど知名度は高い。Chief Marketing OfficerのBlanca Menchaca氏は、旅行予約サイト「Wego.com」でオンラインマーケティングのグローバルヘッドを務めていた人物。

 このように、テクノロジではなく旅行業界のスペシャリストが集まったチームであるため、業界内でのパートナーやメディアとのつながりは強い。この強みを活かして、「Expedia」などの大手予約サイトや大手ホテルチェーンとのアフィリエイトパートナーシップ契約を結ぶなど、事業拡大のための重要な戦略をスピーディーに進めてきた。

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