もう1つの強みは、旅行関連の事業者として政府からのライセンスを取得していること。他のサービスを運営する会社の多くが取得していない中、BeMyGuestは厳しい審査を経て取得。これが前出のようなパートナーやサプライヤとの提携、また旅行客からの信頼獲得につながっているという。
こうした強みが結果にも表れており、世界で先んじてツアープランを提供してきたサービスを猛追している。ドイツ発の老舗「Getyourguide」はサービス開始から5年間で2万1000プラン、米国の「Adventurelink」は2年半で1万4000プランのところ、BeMyGuestは2012年10月のベータ版ローンチからこれまでに、1万以上のプランを集めた。さらに客単価は1351シンガポールドル、予約あたりの単価は4661シンガポールドルと高い。
Clement氏がこのサービスを着想したのは、前職時代のケニアへの出張がきっかけだったという。同氏は出張中に、旅行代理店を通じて地元のドライバーに車での案内を依頼した。このときアレンジした旅行代理店に支払った金額は20ドル。一方、ドライバーに直接聞いたところ、彼には2ドルしか渡っていなかったそうだ。
そのときClement氏は、「大手の旅行代理店に対抗して、このドライバーにもっと利益を還元し生活を助けてあげられたら」――そんな思いを抱いたそうだ。そして、「今でも、あのドライバーを助けてあげることがゴールなんだ」と話す。
BeMyGuestは先日、エンジェル投資家から50万シンガポールドルの資金を調達した。今後の計画としては、2014年中にiOSとAndroid向けのアプリをローンチし、アジア各国でサービスを開始する。「日本も100%、その国のひとつに入っている」(Clement氏)という。これから18カ月間で東南アジアではなく、アジア全域でナンバーワンになることが直近の目標だ。
Clement氏は現在、BeMyGuestの日本でのローンチの際に共に働くインターンを募集しているそうだ。旅行業界での経験は不問、旅行に対するパッションさえあれば誰でも大歓迎だという。興味がある人はBeMyGuestのサイトから問い合わせてみてはいかがだろうか。
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