最新の自動車や二輪車が集う展示会「第42回東京モーターショー」が東京ビッグサイトで開幕した。12月1日まで開催される。
今回は、車の進化が見える東京モーターショーとなっている。ぱっと思い付く進化といえば、燃費や自動運転が浮かぶかもしれないが、実際に会場を見てみると「車本来の魅力を取り戻そう」という意図が感じられる。
実際、燃費やエコを全面に掲げるような展示は少なくなった。以前であれば電気自動車が本来の“走る”という役割を捨てたかのように、家庭の電力を供給するなどの展示も見られた。
また、最近のニュースでよく報道されている自動運転に関することも、もっと全面に押し出してもよさそうなものだったがそれほど感じられなかった。あくまでショーの来場者にとっては補助的な役割という印象だからだろうか。
たとえば、日産、ホンダはいわゆる“カッコいいクルマ”がショーの主役になっている。日産は将来のデザインを示すだけにとどまったが、ホンダは今でも愛されるスポーツカーを2つ登場させた。
ホンダの次期“NSX”と思われる「NSX CONCEPT」は、本来、みんなが憧れるべく存在である「速いスポーツカー」を現代テクノロジで仕上げたもの。「S660 CONCEPT」は660ccという軽自動車のエンジンと規格でスポーツカーを実現させたもの。過去の「ビート」の再来だ。
NSX CONCEPTは買える人は限られるが、憧れの存在。メーカーの象徴としてはみんなを心をワクワクさせることができ、S660 CONCEPTは比較的多くの人が手を出せる、楽しむことができる身近な存在だ。購入しやすいという魅力もさることながら、パワーとサイズから、運転者の技量をあまり選ばすに楽しむことができる点も大きい。
カッコよさも燃費も同時に実現するコンセプトカーを発表したのが三菱自動車だ。電気でクルマを走らせる先行企業のひとつとして、電気モーターの走行利用をアピールしながらスタイリングにも注力したコンセプトカー「GC-PHEV」「XR-PHEV」「AR」を発表した。
三菱自動車といえば「i-MiEV」「ミニキャブ・ミーブ」など、軽自動車規格で比較的安価な電気自動車で先行しているが、三菱はバッテリ走行比率が高いPHEV(プラグインハイブリッド)でもやはり先行していること。
現在販売中の「アウトランダーPHEV(プラグインハイブリッド)」は、通常は電気で走り、エンジンは電気が足りなくなった場合の発電と高速走行時の駆動だけ受け持っている。電気自動車の利点である変速操作やクラッチが不要な点を活かしながらも、高速走行時だけはエネルギー効率が優れているエンジン駆動の方式を組み合わせたもの。現在の理想的な組み合わせのひとつとされ、従来のハイブリッド車の延長線上にあるPHEVとは異なるものだ。
三菱自動車のブースではアウトランダーPHEVカットモデルも用意され、アウトランダーのPHEVの仕組みがよくわかるようになっている。
三菱自動車が発表したコンセプトカー3台のうち、2台がこのPHEV。しかも三菱自動車らしいSUV風の外見で、メカニズムの新しさもさることながらスタイリングの点でもカッコよさや憧れを感じられるものになっている。
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