「第42回東京モーターショー2011」が東京ビッグサイトで開幕した。日産リーフの登場などにより、誰もが気軽に扱えて現実的な価格で入手できる電気自動車が普及し始めたいま、クルマを取り巻く環境も変化し展示内容にも変化が見られる。
2年前に行われた東京モーターショー2009では、一般の人があまり難しいことを考えずに購入できる電気自動車は、三菱の「i-MiEV」がある程度だった。しかし2010年に日産リーフが発売されるやいなや、電気自動車は一気に現実的なものとなっていく。
今回の展示を見ると、日産リーフは特別なものではなくなり、リーフを使った提案などでさまざまなブースに置かれており、身近な存在になっていることが伺える。
その一方で、電気自動車は商用車への進出も進んでいる。i-MiEVで電気自動車で先行した三菱自動車では、12月8日に発売する「MINICAB-MiEV」が展示された。軽自動車のミニキャブの電気自動車仕様となるもので、電源供給機能の搭載により、軽自動車からの単純な置換えではなく、電気自動車ならではの新しい使い方を提案している。
動力の駆動系を簡略化できる電気自動車だけに、商用車分野での活用もさらに期待されている。同時開催されている「SMART MOBILITY CITY 2011」の中のSIM-Driveブースでは、インホイールモーターを装備する電動バス「SAKURA」を展示した。現在の低床バスはエンジンを収めるため客室後方が極端な高床になっているが、SAKURAは後部までフラットな床が特徴だ。ホイールの中にモーターを収めてしまえば、エンジンや駆動系のスペースは不要。乗客のためにスペースを最大限使うことができるSAKURAはナンバープレートを付けて公道を走ることができ、今年8月から実証運行をしている。今後も試乗イベントを開くという。
また、電気自動車やプラグインハイブリッドカーが普及すると、充電設備が多く必要となる。そのため充電設備も業務用の充電スタンドから家庭用充電器まで多くの展示が見られた。特に自動車用の電気コネクタ大手の矢崎総業は、国内シェアトップという充電ソケットを展示している。来場者が充電ソケットの抜き差しを実際に体験できる。電気自動車を買う前にソケットの抜き差しだけでもやってみてはいかがだろうか。
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