韓国の2大スマートフォンメーカーであるサムスンとLG電子から“日本市場”向けと銘打つスマートフォン「GALAXY J SC-02F」と「isai LGL22」が発売された。GALAXY Jは、NTTドコモが取り扱うGALAXYシリーズ初となる日本オリジナルモデルだ。またisaiは、LG電子とKDDIが共同開発したau冬モデルの一押し機種となっている。では、具体的にどのあたりが日本向けになったのか、それぞれの機能や特徴を見ていこう。
まずは、2機種の端末スペックから。サムスンのGALAXY Jは、Quantum Snapdragon 800(MSM8974)の2.3GHzクアッドコアCPU、3GバイトのRAM、32GバイトのROMを採用する。画面サイズは約5インチで、有効画素数約1320万画素のカメラ、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応の無線LAN機能を搭載する。バッテリ容量は2600mAh。本体サイズは幅約70×厚さ8.6×高さ137mmで、重量は約146g。Android OSのバージョンは4.3だ。
isaiは、Quantum Snapdragon 800(MSM8974)の2.3GHzクアッドコアCPU、約2GバイトのRAM、約32GバイトのROMを搭載する。液晶サイズは約5.2インチ。有効画素数約1320万画素のカメラ、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応の無線LAN機能を備えた。バッテリ容量は2500mAh。本体サイズは幅72×厚さ9.1×高さ144mmで、重量は約152g。Android OSのバージョンは4.2。IPX5/IPX7の防水性能を備える。
どちらの端末も「おサイフケータイ」と「ワンセグ」に対応したほか、isaiは「赤外線通信」にも対応する。
では、この2機種のどこに日本向けの要素が隠されているのか。その前にスマートフォンの端末事情について簡単に確認しておこう。国内で生産された日本向けの端末を海外で利用するには、その端末を利用したい場所で電波をつかめるかどうかというのが問題になる。いわゆる「国際ローミング」の話である。この点については、昨今の携帯端末であれば、スペック的にはほぼクリアしている。
逆に国外で購入した端末を日本で利用する場合は注意が必要だ。まず、日本の通信帯域に対応するかどうかの確認が必要。たとえ対応しているとしても「技適マーク」がない端末を使うと違法になる恐れがある。海外端末を日本国内で利用する場合は、帯域の対応と技適マークの有無をシッカリと確認したい。では、日本の通信帯域に対応し技適マークがあればそれは日本仕様といえるのだろうか。答えとしては「何ともいえない」というのが正直なところ。つまり、明確に日本向けとするルールや機能、機構はないのだ。
さらに難しくするのが、日本でも人気の高いアップル「iPhone」の問題だ。形状が同じだが、内部モジュールなどが異なるモデル違いの製品がワールドワイドに展開され、日本国内でもNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの主要3キャリアやアップルストアなどで購入できる。しかし、国内キャリアやアップルストアから購入した端末でなければ技適マークがないため、海外で購入した端末は利用できないという問題もある。ワールドワイドに展開した端末を日本国内のルールで縛ること、それをもって日本向けというのか。おそらくそれも正しくない。
では、進化の過程において“ガラパゴス”とされた日本固有の機能、つまり「おサイフケータイ」「赤外線通信」「ワンセグ/フルセグ」に対応することが日本向け端末なのだろうか。もしこれらを条件とするならば、キャリアショップはもちろん、家電量販店で購入できるスマホのほとんどが日本向けだ。わざわざ今になって日本向けと称する端末を出す意味はない。
少し前置きが長くなってしまったが、国外に本社をもつメーカーが、日本市場に向けてすでに製品を出しているのにもかかわらず、あえて冬モデルで日本向けモデルを発表した理由は何か。そして、2社は何をもって日本向けとしたのだろうか。その答えは“デザイン”だ。
サムスンの「GALAXY J SC-02F」は、“日本の感性に根ざした”オリジナルデザインやカラーを特徴とする。GALAXY初の試みとして、「心地よい潔さ」をコンセプトにブロックデザインを取り入れた。また、こちらもGALAXY初となるストラップホールを採用している。
一方、LGエレクトロニクスがKDDIと共同開発したというisaiは、“余計な部分”とされる要素を取り除いた「狭額縁デザイン」が特徴。持ちやすさとデザイン性を両立したほか、カラーバリエーション、ボディデザイン、素材にこだわった。ちなみにデザインコンセプトは「ピュアな湧き水で、ゆっくりと静かに揺れ動く水面」だという。
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