「iPad mini Retina」レビュー（後編）--「iPad Air」と同等性能を得た小型タブレット - (page 2)

　もちろん、iPad miniには「iOS 7」がプレインストールされている。iPad版iOS 7はiPhone版とそれほど変わらない。マルチタスキングは以前より容易になったが、依然として画面を分割して複数のプログラムを表示することはできない。その代わりに、ダブルタップしてからアイコンをタップすると、別のプログラムに切り替わる方式を採用している。いくつかのアプリケーションを同時に実行できるが、あまりにも多くのアプリケーションを開くと、その一部が自動的に停止および再起動される。

提供：Sarah Tew/CNET

　iPad Airでは、iOS 7がもっと高度なiPad専用機能を提供してくれれば良いのにと感じた。実用的で余計なものがなく、基本機能を備えたiOS 7は、小型のiPad miniの方が相性はいいように思える。米CNETのレビューでさまざまな機能を具体的に紹介しているので参照してほしい。

バッテリ持続時間

　これに関しては意外な朗報がある。iPad miniのバッテリ持続時間はiPad Airと同じくらい長いようだ。米CNETが実施した最初のバッテリテストの結果は驚くべきものだった。iPad miniは動画連続再生テストで14時間14分の間動作を続け、Appleの公称バッテリ持続時間である10時間を上回った。iPad Airは13.2時間を記録した。2012年モデルのiPad miniは12.1時間だった。米CNETでは、さらなるバッテリテストの結果と最終的な公式記録を後日掲載する予定でいるが、初期テストの結果を見るとかなり期待できそうだ。

　筆者はRetina Display搭載iPad miniでLTEを有効にしたまま、ブラウジングやゲームのプレイ、アプリのインストールなどを行ってみた。そして、それらの作業を1日中行ってもバッテリはまだ残っていた。

　内蔵バッテリの大型化、ディスプレイ性能の強化、プロセッサの高速化は、AC電源アダプタの大型化も意味する。付属のAC電源アダプタは出力が10Wになり、iPhoneサイズの5Wのミニプラグから強化された。あらゆることを考慮すると、Retina Display搭載iPad miniを付属充電器でフル充電するには、2012年のiPad miniを付属充電器でフル充電するのとほぼ同じ時間がかかる。

価格：明らかに廉価版小型タブレットではない

　iPad miniは廉価版タブレットではないが、最初からそのような位置付けでないことは明白だ。iPad miniは多くの機能が詰め込まれた強力な小型タブレットである。ストレージオプションには新たに128Gバイトモデルが追加された。Wi-Fiのみの16Gバイト、32Gバイト、64Gバイト、および128Gバイトモデルの価格は、それぞれ399ドル、499ドル、599ドル、699ドルだ。米国でAT&TとVerizon、Sprint、T-Mobileから提供されているLTEモデルの価格はWi-Fiのみのモデルより129ドル高く設定されている。例えば16Gバイトモデルは529ドルで、128Gバイトモデルは何と829ドルもする。

　iPad miniは以前から、さまざまなタスクをフルサイズのiPadと同じくらいうまく処理できるように設計されていたが、Retina Displayの搭載によって、電子書籍リーダーやウェブブラウザ、フォトビューアとしての性能が向上した。しかしその汎用性は価格に反映されているようだ。そしてRetina Display搭載iPad miniはiPad Airと同等のスペックを備え、バッテリ持続時間もひけをとらないにもかかわらず、iPad Airより100ドル安い。しかし解像度は同じだがiPad Airのスクリーンの方が物理的に大きいという理由だけで、100ドル高いiPad Airを買う人も必ずいるだろう。

提供：Sarah Tew/CNET