米連邦裁判所は、著作権侵害でGoogleを訴えた作家団体による訴訟を棄却した。書籍は、インデックス化して検索結果に一部を引用して表示することに関してはウェブページと同じであると結論付けられた。
「Google Books」プロジェクトでは、多数の書籍を著作権所有者の許可なくデジタル化し、インデックス化しており、米作家協会(The Authors Guild)がそれを提訴していた。しかし、ニューヨークにある米巡回裁判所のDenny Chin判事は米国時間11月14日、この訴えを棄却し、略式判決を求めるGoogleの申し立てを認めた。
同判事は、検索結果に書籍の内容の「一部」を表示することはフェアユースであるとするGoogleの主張に同意した。フェアユースとは、許諾を得ずに他者の著作物を使用することを許可する原則である。フェアユースの1例としては、レビューにおいて映画の一部を紹介する場合などがある。
Chin判事の意見は、Google Booksプロジェクトを強く支持するものだった。
私の見解では、Google Booksは公衆に多大な利益を与えるものである。作家など創造的な個人の権利に対する敬意を維持しつつ、著作権所有者の権利に悪影響を及ぼすことなく、芸術と科学の発展を促進している。今や、学生、教育者、図書館員などが書籍をより効率的に検索して特定するための貴重な調査ツールとなっている。Google Booksによって、研究者は初めて、膨大な数の書籍に対して全文検索を実施することができるようになった。同プロジェクトは、特に図書館の奥深くで忘れ去られていた絶版書籍や古い書籍を保存し、新たな命を与えている。印刷が利用できない人々や、遠隔地や十分な施設が整っていない地域の人々が、書籍にアクセスできるようにしている。同プロジェクトは、新しい読者を生み出し、作家や出版社に新しい収益源を生成している。実に、社会全体に恩恵をもたらしている。
予想されていなかったわけではないものの、今回の裁決は、Googleに対するこの訴訟の初期の状況を大きく覆すものである。
同訴訟をめぐっては、Google、Authors Guild、そしてもう1つの原告団体である米出版社協会(Association of American Publishers:AAP)による和解案が却下されたことがあった。その和解案は、Googleが書籍に対して当初望んでいた措置をはるかに超えるもので、著作権所有者が不明または特定されていない著作物であるいわゆる「Orphan Works」をめぐり、法的な手続きが複雑になることを回避するためのメカニズムを確立するものだった。
この和解により、Googleはこれらの著作物の複製物を販売する手段を得るはずだった。その収益の一部はBook Rights Registryに入る予定だった。作家らが運営するBook Rights Registryでは、著作権所有者を追跡し、Orphan Worksの著作権保有者が特定された場合には支払いを行う。しかし、Chin判事はその和解案を却下した。
Judge Denny Chin Google Books opinion 2013-11-14.pdf
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」