Facebookが、短時間で消失するメッセージを交換するアプリを手がけるSnapchatに現金30億ドルで買収を提案したと、The Wall Street Journal(WSJ)が伝えている。しかしSnapchatは、そのサービス内容にふさわしく、毎日処理している3億5000万件のメッセージと同様にこの提案を破棄した。
今回拒否された提案で、FacebookはInstagramを成功裏に買収した際の金額の3倍以上という評価額を示している。この背景には、設立から2年のSnapchatが、評価額40億ドル前後での大規模な資金調達ラウンドを検討しているという状況がある。
カリフォルニア州ベニスに拠点を置くSnapchatは、収益をあげておらず、ユーザーベースの正確な規模も明らかにしていないが、Facebookに飽きつつある8~19歳の年齢層からの注目を集めることに成功している。また、Pew Research Centerが実施した調査によると、米国の成人携帯電話ユーザーの推定9%にもSnapchatアプリが利用されているという。
収益をあげないアプリに対する30億ドルの買収提案は、インターネットユーザーのなかでも最も若い層の歓心を何としてでも買いたいという、Facebookの焦燥を示唆している。WSJによると、ソーシャルネットワークのFacebookは以前にも、受信後すぐに消えるメッセージを送るシンプルなアプリであるSnapchatに対し、10億ドル以上の買収提案をしたことがあるという。Snapchatの提案拒否は、驚くべき判断に思えるかもしれないが、投資家からの多額の資金調達を検討する中で、この若い会社がまさに狙い通りの条件を引き出そうとしていることをうかがわせるものだ。
WSJの情報筋によると、Snapchatの共同設立者で最高経営責任者(CEO)を務めるEvan Spiegel氏はおそらく2014年初頭まで買収や投資を検討するつもりはないという。同氏のためにも、消えるメッセージを扱うサービスが、その登場と同じくらいすぐにポップカルチャーから消えてなくならないことを願うばかりだ。
Facebookは、うわさされる買収提案についてコメントを拒否した。Snapchatは、コメントの要請に対しすぐには応じなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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