あるソースコードが1つの巨大企業の誕生に寄与したと言えるとしたら、「Apple II」用ディスクオペレーティングシステム(DOS)のコードがそれに値するだろう。
2012年春、米CNETは、Apple創生期の新型コンピュータであるApple II用のDOS開発着手につながった文書が発見されたことを最初に報じた。
このDOSがなければ、Apple IIが足跡を残すことはおそらくなかっただろう。その場合、利用可能なストレージの選択肢はテープドライブしかなかったからだ。1977年のクリスマス休暇に、Appleの共同創設者Steve Wozniak氏はディスクコントローラを設計したものの、DOSを必要としていた。
1978年初め、AppleはDOS開発に向けてShepardson Microsystemsと1万3000ドルの契約を結んだ。この契約書の宛先はSteve Jobsとなっている。DOSができると、Apple IIを大成功に導いた「VisiCalc」などのプログラムが可能になった。
このほど、カリフォルニア州サンタクルーズ郡のビンテージコンピュータ博物館であるDigiBarnの協力により、同州マウンテンビューのコンピュータ歴史博物館が、このDOSのソースコードを誰でも閲覧できるよう正式に公開した。
DigiBarnコンピュータ博物館の創設者であり館長であるBruce Damer氏によると、今でもコードを所有しているAppleは、これらの文書が公開されることを歓迎したという。これについて誰かがどのような行動を起こすのかは分からないが、これはシリコンバレーで最も貴重な財産の1つだ。1つの新興企業が巨大企業となることに貢献したDOSなのだ。これがなければ、Appleが今日の姿になるのを見ることはなかったかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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