パナソニックは10月31日、プラズマディスプレイ(PDP)事業から撤退すると正式発表した。12月に生産を終了し、2014年3月末で第3、4、5工場の事業活動を停止する。これによりプラズマテレビのほか、電子黒板をはじめとする業務用PDP関連製品の販売も2013年度をもって終了する。
パナソニックでは2000年からPDP事業を推進し、液晶ディスプレイとともに薄型ディスプレイ市場を牽引してきた。プラズマテレビは、液晶テレビに比べ、大型化しやすい、黒の表現力に優れるなどの優位性を持っていたが、液晶テレビの急激な進展や、リーマンショックに端を発した価格競争などに直面し、競争力を失っていった。
パナソニック代表取締役社長の津賀一宏氏は「プラズマ事業は1000億円を超える赤字を出した年もあった。現在はその赤字を200億円規模まで絞ってきたが、この赤字を黒字転換する、あるいは半減する政策が見えていないことが、撤退の最終決断をした最大の理由」と撤退するに至った経緯を説明した。
同社ではPDP以外にもエアコンやデジタルカメラなど、赤字が続く課題事業をいくつか抱える。津賀氏は「赤字脱却が見えない、しかも規模の大きな事業は撤退せざるを得ない。しかし撤退するからといってすべての事業の強みを失うということではない。統合したり、BtoBにシフトしたりといった展開も考えられる。最終的にどうしようもない場合は事業からの撤退もある。その時は新しい事業を生み出していけばいい」と話した。
今後のテレビの展開については「液晶も大型になり、PDPでなければ大型化できなかった時代から様変わりした。パネルを内製化する考えはない。テレビの商品化については白物家電の一つとして位置づける仮説を考えている。テレビは放送を受けるだけのデバイスではなく、インターネットやクラウドサービスにつながり、生活の場で暮らしを助けるデバイスになるのだという仮説をもとに、家と一体感を持ったテレビを目指す」とした。
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